目次
承前 教育問題の本質
過失1 「教育勅語」の容認
過失2 学問と職業の分離
過失3 「教育を受ける権利」の妄信
過失4 「普通教育」の信奉
過失5 「平等」という個性無視
過失6 「勤労」観の尊重
過失7 「教育基本法」の矮小化
過失8 「働くこと」の御題目化
過失9 日本的雇用管理の後援
過失容疑 「キャリア教育」への幻想
改革試論 「働く」ための学習権の確立
著者等紹介
田中萬年[タナカカズトシ]
1943年旧満州国大連市生まれ。職業訓練大学校卒業、職業能力開発総合大学校名誉教授・博士(学術)。明治大学兼任講師。一貫して職業訓練・職業能力開発に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きいち
32
新しい知識や観点はたくさんあった。◇ただ、全面的な賛同ではない。◇「職業教育が根付かない」根っ子として挙げられる憲法26条。「すべて国民は~」とはじまり、大人も含む概念となっている大好きな条文なのだが、著者が注目するのは後半「教育を受ける権利」。臣民を作る「教育」という概念ではなく、訓練や自ら学ぶ学習の価値に注目する著者にとって、ここからの出発だったことが誤りだという。EDUCATION≠教育。語義どおりにとれば確かにおかしい。なぜそれが、為政者を縛る条文である憲法に書いてある?と。原義を辿ることの意義。2017/11/29