日本人の「男らしさ」―サムライからオタクまで「男性性」の変遷を追う

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  • サイズ A5判/ページ数 307p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784750337456
  • NDC分類 367
  • Cコード C0036

目次

第1部 侍の遺産(鉄砲のジェンダー―日本近世における技術と身分;名と誉れ―一七世紀商人の覚書;日本国家における武士道とジェンダー化された身体―サムライ志願者への檄文;ヒロイズムの後に―真の兵士は死ななければならないのか?)
第2部 周縁の男たち(衰退していく労働組合員―戦後労働運動における階級とジェンダー;サラリーマンはどこへ行った?―『電車男』に見る男性性・マゾヒズム・テクノモビリティー;日本の都市路上に散った男らしさ―ホームレス男性にとっての自立の意味)
第3部 身体と境界(壁を登る―日本のスポーツサブカルチャーにおける覇権的男性性の解体;男として不適格?―二〇世紀初頭の日本における徴兵制・男性性・半陰陽;恋愛革命―アニメ、マスキュリニティ、未来;ロボットのジェンダー―日本におけるポストヒューマン伝統主義)

著者等紹介

フリューシュトゥック,サビーネ[フリューシュトゥック,サビーネ][Fr¨uhst¨uck,Sabine]
カリフォルニア大学サンタバーバラ校(近現代日本研究)教授

ウォルソール,アン[ウォルソール,アン][Walthall,Anne]
カリフォルニア大学アーバイン校(日本史)教授

長野ひろ子[ナガノヒロコ]
中央大学経済学部教授。日本経済史、ジェンダー史

内田雅克[ウチダマサカツ]
東北芸術工科大学芸術学部/教養教育センター教授。ジェンダー史、英語教育学

長野麻紀子[ナガノマキコ]
ロンドン大学ゴールドスミスカレッジBAファインアート科(スタジオプラクティス&クリティカルスタディーズ)卒業

粟倉大輔[アワクラダイスケ]
中央大学大学院経済学研究科博士後期課程。近代日本経済史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

21
’11年初出。らしさを強いられるのは苦痛でもある。確かに伊藤公雄『男性学入門』’96年は男性学の夜明けのようなイメージがある。本書は侍の遺産、周縁の男、身体と境界の3部から構成(022頁)。1658年は、苦労すれば幸せと成功がやがて得られるという感傷的な見方が試される時の幕開けとなった(ロバーツ072頁)。新渡戸稲造とセオドア・ルーズベルトは、戦闘という肉体的試練を超克することでのみ男らしさが養われ、文明も発展すると考える(メイソン088頁)。男らしさが文明の素という発想。女らしさは文明と無関係なのか? 2015/01/15

Reina SAIJO

4
カリフォルニアの日本研究専門家を中心とする日本の男性論。「武士道」や「オタク」といったいかにも日本的なものから、商人、自衛隊、労働者(ブルーカラーとホワイトカラー)、スポーツ、ホームレス、ロボットなど事例は多岐にわたる。多くは、それぞれの立場の男性が、「男性らしさに基づく自己評価」を高めるためにどのような価値観をもつかが論じられていて興味深い。どの論文も、明快かつ学術的にも誠実な筆致で、文化論や歴史学の門外漢にもやさしいと思う。2014/01/26

Mealla0v0

1
男性性の日本特有さを語った本。江戸時代までの侍は儒教の徳目が幕藩制度のなかで男性性の象徴と見做されて来たが、それは近代化のなかで変遷していく。国民皆兵によって、武士道なる観念が流布され、男性性のイメージは拡散していく。そして、「武士道は死ぬことと見つけたり」としての殉死、特攻……。「天皇の赤子」は軍服を脱ぎ、背広を来た。企業社会となる戦後において、男性性は会社員であることだった。▼本書のおもしろさはここからだ。それまでの男性の崩落。オタク論だ。「男らしくないことの男らしさ」、半陰陽、ロボット……。2016/07/29

tykhobluemoon

1
ひょんなことから手にしてパラパラ。ふむ。。。西洋の視点からみると、そうなのね、という妙な頷き感。2013/01/29

0
7日本の都市途上に散った男らしさcf『ハッピーエンドにさよならを』「尊厳、死」 10恋愛革命 アニメ、マスキュリニティ、未来 P256アニメキャラではなく二次元キャラ→各種媒体間を流動的に行き交っている←コンヴァージェンスカルチャー! P257萌え2021/03/17

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