目次
第1部 労働市場の構造とその運動(労働市場の構造とその運動;労働市場の決定要因;労働力の市場価値について―論点の整理とその展開;労働力の市場価格と「労働の価格」;賃労働分析上における不生産的雇用;労働市場の形成と展開―労働市場構造分析をめぐる論争を中心に;賃金論論争―労働力の価値規定および労働力の価値から価格への転化論をめぐって)
第2部 日本の内部労働市場の特徴と賃金闘争(一九六〇年代~七〇年代前半)(職務給反対闘争の現状と問題点;初任給上昇と賃金体系;日本の労働市場と賃金決定―とくに年功賃金成立の内的論理をめぐって;個別賃金要求と賃金闘争)
著者等紹介
竹中恵美子[タケナカエミコ]
1929年、岐阜県に生まれる。1952年、(旧制)大阪商科大学(現、大阪市立大学)卒業。以後41年間、大阪市立大学経済学部に勤務。経済学博士。同大学名誉教授。退職後、花園大学、龍谷大学教授を経て、2001年から2007年まで、大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
9
『増補 現代労働市場の理論』(1979年)を再録したものです。しかし、全体をⅡ部制とし、〈付録〉として「賃金論論争」が掲載されています。この本は、労働市場を考察し、賃金決定の仕組みについて理論化したものです。難しい内容でしたが、マルクス主義の立場から考えることができます。もともと出版された時期が横断的賃金について広く議論された時期であり、著者も意欲的に論じています。1979年のものですが、今日の賃金論争や同一賃金同一労働をどのように捉えるかなど現代的テーマを考えるうえでも問いかけるものが多いと思いました。2014/10/22