内容説明
マンガ、アニメ、ゲーム、ケータイ、ネット、ポップス、ファッションなどの面から現代の日本と海外の若者像を浮き彫りにする。
目次
第1部 日本のポップカルチャーと若者(ポップカルチャーをジェンダーの視点で考える;マンガ、アニメ、コスプレ―揺らぐ性別分化の現状と課題;ポケモン化する若者たちの理想と現実;「着うたクイーン」から「踊る少女軍団」へ―ひとり聴くJ‐POP、みんなで聴くK‐POP;セイフクファッションにみるジェンダー;「越境アイデンティティ」の時代―ポップカルチャーと現代の若者)
第2部 海外レポート(韓国のポップカルチャーと若者;台湾における日本の女性ファッション誌の広まり;セーラームーンはニューヨークの夢となるか?;ル・ジャポンがカッコいい―フランスで受容される日本のポップカルチャー)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
21
日本と海外のポップカルチャーについてジェンダーの観点から分析した研究書。『けいおん!』のようにロックバンドを組む女子高生を主人公としたアニメの大ヒットからは、ロック=男性性というジェンダーの表象を越境する意識が垣間見える一方で、萌えキャラには男性視点の女性性のモノ化(26頁)という意味合いが潜んでいることに注意した方が良いと指摘されている(押山論文)。日本のコスプレ文化が持つジェンダー撹乱的な要素やK-POP人気に潜む女性の自立志向や主体性願望といった、ポピュラー文化を解読する視点が面白かった。2024/02/01
nappyon
1
私たちは生まれたときから「男」「女」という二分された枠組みを学び、その中の多くの人は自分の生物学的性と一致する「男」「女」という役割を果たそうとする。その枠組みを学ぶこと、また、役割を果たす、演じることなどに、ポップカルチャーは密接に、複雑に関わっている。そんなようなことを様々なカルチャーから照射していった本。以下自分用の引用「従来的な女性性が男性キャラクターを介して表象されるという、ここ数年の少女・女性マンガにおける屈折した女性性表象とその受容傾向(p.24)」2013/09/04