目次
第1部 破片の寄せ集め(独立と父親殺し―ガンディー暗殺と新生国家;分割の論理―去りゆく総督の計算;篭のなかの林檎―インド藩王国の統合;血まみれの美しき渓谷―カシュミール問題の起原;難民と共和国―分離独立の犠牲者たち;インドの理念)
第2部 ネルーのインド(史上最大のギャンブル―独立後初の総選挙;国の内と外―ネルー外交の始動;地図の描き直し―州再編と言語の政治;自然の征服―インドの計画経済;法と予言者たち―ヒンドゥー家族法の改正;カシュミールの確保―独立と自治のはざま;部族の問題―東北丘陵部の反乱)
第3部 揺らぐ中央(南からの挑戦―ケーララ州の赤い星;敗北の経験―インド・中国国境戦争;われらが時代の平和―ネルーの最後の闘争;マイノリティへの記憶―包摂と排除のせめぎあい)
著者等紹介
グハ,ラーマチャンドラ[グハ,ラーマチャンドラ][Guha,Ramachandra]
1958年生まれ。デリー・スクール・オブ・エコノミックスおよびインド経営研究所(カルカッタ)で、社会学、歴史学を専攻。イエール大学、インド科学研究院などで教鞭をとる。インドの社会・政治史、環境史を専門とするほか、『テレグラフ』紙などインドのジャーナリズムでも活発な評論活動を続けている
佐藤宏[サトウヒロシ]
南アジア研究者(専門は現代南アジア政治史、日印関係史)。元アジア経済研究所研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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穀雨
7
上下巻各600頁超という圧倒的なボリュームゆえ、読み始めるのにずっと躊躇していたが、ようやく読むことができた。上巻では建国期の歴史をさまざまな方面から見ているが、個人的には1952年に行われた初の総選挙が特に印象に残った。獣道を何日もかけて歩き、夜になるとたき火の周りで歌い踊りながら露営しつつ投票所を目指す密林の原住民、ひ孫に両脇をかかえられて投票する110歳の男性…。建国直後の混乱期にあったインドが、有権者数数億人にのぼる一大プロジェクトを見事成功させたことは、もっと注目されていいと思う。2022/04/24
陽香
1
201201202017/08/23
こひた
0
「カシミール地方の国境線引いておいて」「へぇ、いつまでに」「5週間」「え」「喧嘩ばかりの顧問も4人つけるよ」「いや」「問題は複雑だけど、正確な資料はないから」「あの」「命狙われるかもしれないから、慎重にね」「・・・」戦後独立、中印国境紛争から国内テロリズムまで、様々な問題に悩まされ対処した人々の戦いの記録が大枠でまとめられつつも、詳細部分も丁寧なので、このテーマではうまくまとめてあるかと。ちょっと長いので読み飛ばしたくなるけど。やっぽアンベートカルはすげぇや。2012/06/20