内容説明
「偉人」と呼ばれ世界の賞賛を浴びてきたマンデラ。だが実際の彼は、小さな幸せに憧れ、時には悩み、絶望し、怒りに身を震わせる一人の人間であった。その真実の姿が初めて、本人によって明かされる。
目次
1 牧歌劇(記憶の深淵;仲間たち)
2 劇詩(心の翼;殺す理由はない;破裂する世界;体の鎖)
3 叙事詩(満たされない男;幕間;満たされた男;駆け引き;カレンダー日記)
4 悲喜劇(嫌われ者から奇跡の人へ;祖国を離れて;故郷)
著者等紹介
マンデラ,ネルソン[マンデラ,ネルソン][Mandela,Nelson R.]
1918年7月18日、南アフリカのトランスカイ地方で生まれる。1944年、アフリカ民族会議に参加。与党国民党のアパルトヘイト政策に対する抵抗運動に身を投じたが、1962年8月に逮捕され、27年間を獄中で過ごす。その間、反アパルトヘイトの象徴として名声が高まった。1990年、釈放。1993年にノーベル平和賞受賞。1994年、南アフリカで初めて民主的に選ばれた大統領となる。自伝『自由への長い道』は世界的なベストセラーとなった
長田雅子[オサダマサコ]
絵描き・物書き。プレトリア大学日本研究センタープログラムディレクター。国際関係学博士、英語教授法修士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Willie the Wildcat
41
現実主義に垣間見る家族愛、そして他者敬意の姿勢。自伝に未記載の私信・メモに垣間見る氏の人間性。前者では、刑務所での面会前後におけるウィニーが乗る船への感慨。後者では、氏を信頼する若い看守の目の前で、仲間から手紙を受け取った件。弱さを認める強さ。政治姿勢の一貫性にサプライズはない。興味深いのが、合間合間に見せる人間性。特に、悪天候の中、皆の気持ちを和らげるための冗談が外れる件?!結構悔しがってるのが微笑ましい。それにしても、文字なんだよなぁ。文字故に滲む心!2015/12/02
壱萬参仟縁
28
2010年初出。 正直、誠実、飾り気のなさ、謙遜、心からの寛容、虚栄心のなさ、 他人を喜んで助ける気持ち(5及び254頁、1975年2月1日)。 脚注も多少ある。 マンデラ氏の肉筆の筆記体は力強くも読みやすい印象(40頁他)。 こうした文字に彼の人柄が出ている。 過ちを起さないですむのは、政治家気取りの評論家だけだ(57頁)。 「他人の権利向上のために闘っているから自分の家族を顧みない、 というのは正当化できることなのだろうか」(88頁)という問いは、 NGOの人も抱える問題だと思う。 2014/03/30
カネコ
5
◎ p454「服役中私を深く悩ませたのは、知らず知らずのうちに外の世界に投影された、誤ったイメージだった。聖人としてみなされたのである。私は決して聖人ではない。たとえ、聖人とは努力し続ける罪人であるという、世俗的な定義を用いたとしても。」2013/11/12
今野 富康
3
マンデラの素の部分が垣間見える本。実に人間らしいし、実に頑固だ。自分自身の姿が「聖者」として祭り上げられることも、不当に貶められることもピシャリと拒否している。それでいて、どこかユーモラスなのが面白い。500ページ以上あるが、マンデラの内面を辿れるのは貴重かもしれない。2016/10/05
バトルランナ-
3
5点満点で2.1点。500P以上あって細かい字。絶対面白いはずと思ったんだけどな~!失敗。俺の勘も大したことないなあ。子供が交通事故で亡くなったらしいんだけど曾孫も交通事故で亡くなったのは書かれてないし!3回の結婚、特に3番目の妻は二人の大統領と結婚していることなど全く触れられてない。Wikipediaの方がよろしいようで。マンデラに相当詳しいひと向けの本です。2013/05/20
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- 和書
- ついの棲処えらび