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出版社内容情報
落語を知らない人こそ楽しめる、抱腹絶倒の異世界ファンタジー。監修は“今もっともチケットの取れない落語家”柳家喬太郎。
朱雀新吾[スジャクシンゴ]
内容説明
剣と魔法の世界・ターミナルは魔族の侵攻により滅亡の危機を迎えていた。近隣諸国は皆侵攻され、残されたのは光の血筋を受け継ぐと言われる、サイトピア国のみ。そんな絶望的状況を打破すべく王が下した命は、異世界から救世主を召喚する事。大臣より指令を受けた宮廷視聴者のダマヤは、天才召喚師クランエと共に救世主召喚を試みる。「サムライ」「ニンジャ」「リキシ」等、異世界には様々な特殊技能を持つ者が存在する。宮廷執務室では皆期待を胸に、ダマヤの報告を待っていた。だが、ダマヤが召喚してきたのは「キモノ」をまとった一人の男…「ハナシカ」。―そう。これは一人の噺家が落語で世界を救う物語である。
著者等紹介
朱雀新吾[スジャクシンゴ]
関西大学卒業。大学時代は落語研究会に在籍。卒業後は伝統芸能に関わりたいとの思いから劇場などで大道具として働くかたわら、小説の執筆に勤しむ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
61
剣と魔法の世界「ターミナル」に間違えて召喚されてしまった噺家・楽々亭一服が、落語で世界を救う手助けをしていく物語。異世界ファンタジー+落語という一件全く合わないように見える組み合わせですが、異色の組み合わせだからこそ出せる化学変化を見事に表現したお話でした。現役の噺家さんが監修しているだけあって、落語の面白さも堪能できるし、それを異世界ファンタジーと絡めることで一味違った笑いを楽しむ事も出来るのが良いですね。異世界転移にこういう見せ方があったのかと感心してしまいました。次巻も楽しみです。2016/05/29
TANGO
46
元ネタは2つくらいしか知らなかったけれど、落語を知らなくても、異世界の登場人物たちと同じように、「ラクゴ」に引き込まれていく1巻目。「ダンジョン飯」の落語版といった感じで、構えず読めるし、1話毎に主人公の解説もあり。果たして主人公はもといた世界に帰れるのか。次巻も楽しみ。2016/06/15
瀧ながれ
46
はい、タイトルの通り。もちろん種族や生態系、文化・習慣は異なるので、こちらの日本で伝えられる落語を、人間とエルフやドワーフが共存してモンスターがいて魔法がある異世界に通用するラクゴに書き換えなくちゃいけない。それがこの作品の醍醐味だ。召喚された噺家の度胸と頭の回転には拍手喝采を贈ります。「子ほめ」ならぬ「ソードほめ」、すごくおもしろかった。誰か巧い声優か若手噺家で、ドラマCDやりませんかね、耳で聴きたい作品です。…日本の仕事人が異世界で活躍するパターン、意外とまだまだ鉱脈が眠ってるのかも。2016/06/03
ホシナーたかはし
36
読み返したので改めて。最近のラノベで初?男一人のカバー。みんなのしごと、噺家編。何故クランエは師匠でダマヤはさん付なのか、読み返せばあっさり解りますw以前、寄席へ行った際、側で落語のネタばらしをして大笑いしたり落語の出来に文句言ったりする〇親父がいましたが、ダマヤが正にそれ、迷惑極まりないwそれにイラつかなくなったら、いっぱしの寄席通い上級者になれるのでしょう。噺家は政策を黒い笑いに変えて切り込んで何ぼ、魔族も笑いの渦に巻き込んでほしいです。2016/05/30
END
33
ライトノベルのコーナーに「異世界○○」が多数あったのにビックリ!その中でも惹かれたのがこれでした。古典落語なんて時代劇だし、そうなると現代人にとっても異世界みたいなもんだからね。文化が全くわからない異世界だけど、序盤の物語から段々世界観がわかっていくので、安心して読めた。「ニグニグ草」と「ソードほめ」は、クスクス笑えて、落語の後のサゲも見事に決まっていて良かった。「寿限無」で長い呪文が唱えられないみたいな感じもやれそうだなと思った。2016/06/18