内容説明
非行少年を自立させるためには、勤勉と忍耐の精神を培う禁欲的生活の習慣化、すなわち規律教育が最良と考えられてきた。それに異を唱えたのが、初代国立女子教護院院長・石原登である。少年たちが再び生きる力を取り戻すためには、あるがままの存在を受けとめ、肯定する「情性の教育」が必要だと説いた。なぜ石原はそのような思想をもちえたのか。言行録や著作を通して、その形成過程をたどりながら、あらためて情性の教育の重要性を問いかける。
目次
第1章 不良少年七十年
第2章 雛の誕生と成長
第3章 一高入学と煩悶
第4章 教職生活のスタート
第5章 前田子爵家と石原の運命
第6章 辺境の教育現場 感化院へ
第7章 人間の自立と国民道徳
第8章 情性の危機と支援
著者等紹介
山口泰弘[ヤマグチヤスヒロ]
1931年千葉県生まれ。1955年慶應義塾大学経済学部卒業。教護事業職員養成所修了。教護院(現児童自立支援施設)、心身障害者施設等でふだん着の生活を通した養育を主張、実践。その後、文京学院大学教授を経て、現在、南房総の山里にて有機農法に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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