10歳からの民主主義レッスン―スウェーデンの少女と学ぶ差別、貧困、戦争のない世界の原理

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  • サイズ B5判/ページ数 50p/高さ 24cm
  • 商品コード 9784750329321
  • NDC分類 K311
  • Cコード C0736

出版社内容情報

子どもが自分のことを自分で意思決定する権利を尊重する筆者による、スウェーデンの十代向けに書かれた民主主義の絵本。14歳の少女を主人公に、身の回りから地域、国、EU、そして世界の問題に関心を持ち、大人と一緒に解決に参加する方法を考えていく。


( I )ヨリンダのリスト

( II)意思決定の行われる場所
 (1)家族――家族会議
 (2)学校――クラス会・全校児童会
 (3)コミューン――コミューン議会
 (4)国――国会と内閣
 (5)欧州連合(EU)――欧州議会
 (6)世界――国連(UN)
 (7)子どもの権利条約と子どもオンブズマン(BO)

(III)国連による「子どもの権利条約」

(IV)たいまつを灯した人びと
 (1)マハトマ・ガンジー――平和と非暴力
 (2)エグランタイン・ジェブ――子ども救済組織
 (3)イクバル・マシー――児童労働の禁止
 (4)アンネ・フランク――人種差別禁止
 (5)エーリン・ヴェーグネル――フェミニズム運動
 (6)アストリッド・リンドグレーン――文化の力

( V)民主主義の起源

 たいせつなあなたへ
 たいせつなことば
 参考図書
 問い合わせ先
 あなたならどうしますか
 訳者あとがき


あなたへ

 この本を書くことになったきっかけは、子どもの発言の場があまりにも少なすぎると思ったからです。子どもは賢い存在です。わたしたち大人は、子どもの声にもっと耳を傾けなければなりません。今こそ、子どもも選挙権を持ってよい時代ではないでしょうか。子ども新聞で、子どもの脳の働きを研究しているマッティ・ベーリストレーム教授の記事を読みました。教授によれば子どもの思考方法は大人とは違っていて、多くの点で大人よりも賢いとのことです。

 大人が部分にとらわれるのに対し、子どもは全体を見ることができます。だから、子どもは問題に対して大人が考えつかない解決策を見つけることもできるのです。大人が外的な世界に生きているのに対し、子どもは内的な世界に生きています。そこには、お化けや妖怪がすんでいたり、夢や理想があふれているのです。

 夢や理想は、内外の不正や不公正と戦い、問題を解決するために必要なことです。

 本書は、自分の声を外に発信したくても方法が見つからないあなたのために書きました。鍵のかかったドアがあるとします。ドアを開けるには、正しい鍵を持たなければなりません。私は、あなたが人間としての権利を手に入れるために全力で戦おうとするとき、どういうふうに戦いを始めることができるかを示してみせたいのです。

 民主主義について研究を始めたヨリンダという女の子といっしょに学習していきましょう。身近な小さな問題から、社会全体に関わる大きな問題まで幅広いテーマが扱われています。すべての子どもがアイスクリームを食べられるようにという願いから、世界平和の実現までがテーマです。読み進むにあたっては少し忍耐も必要です。ゆっくりと進むので退屈になってしまうかもしれません。民主主義に勝る制度はありません。民主主義によってすべての人が救われることが重要なのです。子どもにとってよい社会とは、大人を含めたすべての人にとって、よい社会なのです。

内容説明

民主主義とは自由・平等・連帯を内容とするものです。誰もが自由であるべきであって、私自身も相手も、そして、地球上のすべての人が同じように価値あるたいせつな存在であることが民主主義の目標です。身の回りのことが誰かに勝手に決められるのではなく、私たち自身が責任を持って決定する、あるいは、決定に参加することがたいせつなのです。子どもと大人がいっしょに共同で責任を持って決定に参加することのたいせつさが本書には一貫して主張されています。

目次

1 ヨリンダのリスト
2 意思決定の行われる場所(家族―家族会議;学校―クラス会・全校児童会;コミューン―コミューン議会;国―国会と内閣;欧州連合(EU)―欧州議会
世界―国連(UN)
子どもの権利条約と子どもオンブズマン(BO))
3 国連による「子どもの権利条約」
4 たいまつを灯した人びと(マハトマ・ガンジー―平和と非暴力;エグランタイン・ジェブ―子ども救済組織;イクバル・マシ―児童労働の禁止;アンネ・フランク―人種差別禁止;エーリン・ヴェーグネル―フェミニズム運動;アストリッド・リンドグレーン―文化の力)
5 民主主義の起源

著者等紹介

ブーレグレーン,サッサ[ブーレグレーン,サッサ][Buregren,Sassa]
1953年生まれ。スウェーデン芸術家協会会員。スウェーデン作家協会会員。1975年以降、スウェーデン各地で作品の個展を開催。絵本を中心に数多くの作品を発表。『10歳からの民主主義レッスン―スウェーデンの少女と学ぶ差別、貧困、戦争のない世界の原理』によってスウェーデン図書館協会から2002年度カール・フォン・リネー賞を受賞

にもんじまさあき[ニモンジマサアキ]
二文字理明。1946年生まれ。大阪教育大学教授。北ヨーロッパ学会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モリー

64
「政治に関心を示さない者は愚者に支配される危険を招く。」紀元前5世紀から紀元前4世紀に活躍した、古代ギリシアの喜劇作家、アリストパネスの言葉で締めくくられています。スウェーデンにおいて、子供(日本で言えば、小学校4年生から中学生あたり)を対象に書かれた本だそうです。書き始めたら止まらなくなりそうなので感想は書かないことにします。日本においては、子どもから老人まで、この日本社会に生きる全ての方に手に取って読んでほしい内容が詰まっています。これまでに私が読んできた民主主義に関する書物とは全く異なるものでした。2020/02/29

たまきら

30
先日娘になぜアメリカの大統領を自分が選べないのかを聞かれ、政治の仕組みを説明。政党や地方、国会といった様々な政治の仕組みに興味津々でした。我が家は野党系政治家と政治系ジャーナリストが多い家系なので、いろいろ鋭い質問してくるところにびっくりしました。将来どうなるのかなあ。2020/03/20

日和見菌

3
スウェーデン少女の行動力ぱねぇ(笑)絵本かと思ってたら意外と読みごたえありました。2011/05/06

maisy

2
民主主義とは、なんぞや? 「多数決!!」?? 私の受けた公教育では、この程度で、この本のような民主主義のレッスンをうけた記憶がありません。 過去の同じ過ちを繰り返さないために、民主主義感覚を身に着けることは、非常に重要なことだと思います。2014/08/30

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