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内容説明
年間7千人ものネパール人少女が人身売買され、その半数以上がHIVに感染し、死と向かい合っている…被害者たちと共に歩んだ日本人ボランティア10年間の全記録。2008年新潮ドキュメント賞受賞作品に最新情報を加筆して文庫化!
目次
第1章 幼き娼婦たちとの出会い
第2章 少女売買の実態
第3章 ホスピスに暮らす女性たち
第4章 チャンヌーが心を開いた日
第5章 カビータの死が残したもの
第6章 売春街潜入
第7章 チャンヌーの夢、恋、転落
著者等紹介
長谷川まり子[ハセガワマリコ]
1965年、岐阜県生まれ。ノンフィクションライター。世界の社会問題を取材する過程で、インド・ネパールの越境人身売買問題を知りライフワークに。新聞、雑誌、書籍、テレビドキュメンタリーを通じてリポートするとともに、1997年、人身売買被害者支援のための無償ボランティア団体『ラリグラス・ジャパン』を立ち上げ、その代表としても活動を続ける。2008年、『少女売買』が、新潮社が主催するノンフィクションを対象とした文学賞「新潮ドキュメント賞」(第7回)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨクト
25
貧困、勧誘、嘘、軟禁、暴力、売春、レイプ、HIV、、、悲惨な現実を突きつけられる。インド内での貧困層の売春については石井光太さんの著作でも多く語られる部分だが、本書はネパール・バングラデシュからの少女売買にスポットを当てる。無知で無垢な少女の身体を酷使し、そのほとんどがHIVに感染し、運良く解放されても短命となる。女性である著書がここまで暗部に踏み込めたのは本当に勇気の伴うものだっただろう。その反面著者自身が自分の行為の偽善性について葛藤し、それを素直に著しているのもすごいと思う。2015/08/29
かんちゃん
24
途中で本を紛失したが、再び入手して読み切った。組織的、或いは国家的とも言える人身売買。少女売春。絶対的な貧困。生き地獄。迫り来る死への不安。お茶を飲みながら読むような本ではない。あまりにツラい。あまりに酷い。なんとも言えない。どう書いても偽善になりそうで。少女たちのことを思うと、言葉にならない。2015/09/27
メルモ
14
過酷な運命を背負わされた少女たち。年間七千人もの少女たちがネパールからインドへ人身売買され、その半数がHIVに感染し、死と向かい合ってる・・・被害者とちと共に歩んだ日本人ボランティアの10年間の全記録。 平和な日本にいると、想像もつかないが、世界の貧しい国では、そんなことが 日常茶飯事に行われている現実を 我々は少しでも知っておくべきであるんだろう。2014/09/03
Spok
6
騙されて売られて性の知識などないマイナーの少女達が1日に数十人の男の相手をさせられる。若ければ若いほどいいと小学生くらいの子供に群がる男たちの醜悪さに吐き気がする。これが現実にあると思うと恐ろしい。2017/05/28
ねこけし
6
文庫版にて再読しました。ネパールの人身売買、HIV/AIDSについて深く知る機会があったので、前回よりネパール、インドに存在する少女たちをむしばむ闇、そして少女たちの生き方について考えることができました。被害者たちと同じ女性として辛くて、悲しくて、でもそれでも強く生きようとする彼女たちが生きた先に何があるのかを知りたくて―きっと著者もそのような気持ちを持って彼女たちと向き合ってきたのだろう。終わりに近づくにつれ、著者と同じ気持ちが自分の中に生まれていくのを感じた。女性が搾取される世の在り方に憤りを覚える。2014/08/30