出版社内容情報
主人公のベンは授業中でもじっとしていられず、動きまわってしまう。だから学校で注意されてばかり。自信を失いかけていたベンはあるとき、医師からADHDと診断される。ADHDのある子どもたちが直面する問題と周囲の理解の大切さをわかりやすく伝える絵本。
保護者のみなさんへ
米国の国立衛生研究所は、ADHD(注意欠陥多動性障害)を「深刻な問題」としてとらえてきました。米国の全児童の3%から5%がこの障害の影響を受けているにもかかわらず、確実な診断方法や治療方法がまだ見つかっていないのです。たんに薬を飲んだだけでは子どもの状態はよくならないかもしれません。同時に行動療法など行動修正のプログラムやバランスのとれた食事なども大切なのです。
私は、医学の専門家ではありません。母として、そして、ADHDのせいで失敗した経験をもっているたくさんの子どもをみてきた教師としてこの絵本を書きました。
もし、あなたのお子さんが薬を服用していて、集中する時間が長くなれば、効果的な勉強方法を教えることができます。練習をつづけることで、子どもの思考パターンにその勉強方法がしっかりと植え付けられるでしょう。そして、生涯変わらぬ習慣となります。
子どもにADHDがあるかどうかにかかわらず、学習は、子ども、教師、そして親の三者がチームになって取り組むことが大切です。そして、ADHDの場合は、その協力体制がより強くなければなりません。子どもの学校での学習の様子を注意深く見守ること、教師と頻繁にコミュニケーションをとることによって、すばらしい成果をあげることができるでしょう。
いったん子どもがセルフエスティーム(自尊感情)を取り戻し、成功できることが実感できれば、学習意欲は高まり、それが、学びの新しい世界を開いていくのに役立つのです。
忘れないでほしいのは、変化はゆっくり訪れるということです。その子どもに合った課題を与え、どんな小さなことでも、改善のサインがあらわれたら、必ずほめてあげてくださいね!
エレン・ワイナー
著者等紹介
ワイナー,エレン[ワイナー,エレン][Weiner,Ellen]
アメリカ在住の教師
高山恵子[タカヤマケイコ]
NPO法人えじそんくらぶ代表/玉川大学大学院教育学部非常勤講師。昭和大学薬学部卒業後、約10年間学習塾を経営。1997年アメリカのトリニティー大学大学院教育学修士課程修了(幼児・児童教育、特殊教育専攻)、1998年同大学院ガイダンスカウンセリング修士課程修了。現在、ADHDなど発達障害のある人のカウンセリングと教育を中心に、親支援、指導者養成などにも力を入れている。薬剤師、臨床心理士の資格を持つ。文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会特別支援教育専門部会専門委員、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部「発達障害者施策検討会」委員、法務省少年院における処遇プログラム検討委員会外部アドバイザー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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