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大発作―てんかんをめぐる家族の物語

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  • サイズ B5判/ページ数 378p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784750325903
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0098

内容説明

1964年、フランスの地方都市オルレアン。大胆で好奇心旺盛なジャン=クリストフ(愛称ティト)、冒険小説が大好きで空想的なピエール=フランソワ(ファフー)、おっとりしたフロランス(シコトン)の3人きょうだいは、父と母の愛に包まれ、穏やかな日々を送っていた。ところがある日、路地で遊んでいたジャン=クリストフに突然てんかんの発作が起こる。両親は息子を連れて病院へと向かったが、そこで医師たちから告げられた言葉にショックを受け―。三十数年にわたる家族の軌跡と作家自身の心の歩みを描いた、壮大なる作品。ファンタジックな力強い絵で、てんかんを患う兄と家族の軌跡を描く。世界各地で高く評価されたフランスまんがの名匠による自伝的作品。フランス語版全6巻分を完全収録。

著者等紹介

ベー,ダビッド[ベー,ダビッド][B.,David]
1959年2月9日フランス、ニーム生まれ。1986年、le Timbre mauditで作家デビュー。1990年、フランス漫画(BD)界に、造本・スタイル・テーマの面で革命的な影響力を与えた出版社L′AssociationをJ・C・ムニュ、マット・コンテュール、キロフェール、ルイス・トロンダイムらと共に創設。翌年同社から2作目、la Bombe familialeを発表。10年間にわたる夢の記録を漫画化した短篇集le Cheval bl^eme(1992)は、1993年アングレーム国際漫画フェスティバルにて優秀新人賞ノミネート。1996年から2003年にかけて制作したl′Ascension du Haut Mal(大発作)は同フェスティバルにて第2、6巻が優秀作品賞ノミネート、第4巻が最優秀シナリオ賞を受賞

ボワレ,フレデリック[ボワレ,フレデリック][Boilet,Fr´ed´eric]
1960年生まれ。東京在住フランス人漫画家。日仏漫画間の交流に尽力。2006年、フランスにてベスト脚本家賞Petit Robertを受賞

関澄かおる[セキズミカオル]
1966年生まれ。愛知県立芸術大学美術学部卒業。広報職を経て、フレデリック・ボワレの作品を主に翻訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

128
兄が癲癇の発作を起こしてから、僕と妹、そして家族の生活は変わってしまった。とにかく治してあげたいと、両親は医者探しに明け暮れ、次々に怪しげな新興宗教や民間療法に頼る。遊んでくれた大きなお兄ちゃんが戻ってくれるのを、心の片隅で待っていた作者。しかし、その負担は重荷となり、作者も妹もどこかで兄の死を願う。発作により、身体が傷だらけになる兄。見捨てられないから生まれる苦悩。 最後の数頁ずつの短編は、それまで描かれたクロノロジーの集大成のような心の叫びだと思った。2016/06/23

まふ

100
癲癇の兄に対して父母および妹とともに支え合ってきた数十年間の奮闘をBDによって同時進行的に記録したもの。病気を抱えたまま時の経過とともに子供から少年、青年を過ぎ中年太りになってゆく兄の姿はリアル感十分。白黒での一貫した画面はかなりインパクトがあり、時には読み進めるのが辛かった。マンガ、アニメに(も?)弱い私であり(ムカシは米国のMAD誌のファンであったこともある!)フランス漫画をBDと呼ぶことは今回初めて知った。まあ、米国のComicsも含めてどれもマンガに違いはない、としておこう。G587/1000。2024/08/12

扉のこちら側

78
2015年1060冊め。【59/G1000】以前英訳で読了、邦訳で再読。「世界は僕らを拒絶する、だから僕は幻想の世界に生きる」(P198)英訳の時にもやもや感じたものが邦訳を読んでまとまったのだが、P261でてんかん患者の兄が障がい児達の活動を見て「僕、障害児たちの先生になりたいな」と言うシーン。母は「(お前は)自分の面倒だって見られないじゃない!」と切り捨てる。現代では「ピア(仲間)」という概念があり、病気や障がいを持つ人同士が語り合うことで克服や回復・改善を目指し、当事者主体の自立生活を 続2015/09/18

NAO

59
再読。障害者に関わるボランティアを長年しているので母親の苦悩はよく聞かされるし、本も読むが、兄弟の視点によるものはあまりないと思う。現代なら家族の会もあって家族の心のケアもしてもらえるのに、いわれのない差別や偏見は、本人だけでなく家族の精神をも疲弊させる。弟は、漫画を描くことで自分の心の平静さを保とうとし、罪の意識を浄化しようとしたのだろう。暗いタッチではあるけれど、なるべく兄に添おうとし、兄を受け入れようとしている作者の優しさ。2016/06/03

syaori

54
癲癇の兄を持つ作者の半生を描いたバンドデシネ。語られるのは兄の病と家族との闘いで、医学や錬金術、交霊術等あらゆる手段を試す家族の姿が描かれます。画面には何もできない焦燥や、兄や両親への愛、不満、不公平感、孤独などの感情が渦巻いていて時に息が詰まるほど。作者は物語を作ることが「不幸を祓う」「魔法」なのだと言いますが、健康だった兄を求めるのではなく現在の病の兄を優しく見詰めるエピローグからは葛藤を癒し成熟に導く物語の力を見るようで、分かり合えない、しかし愛してやまない兄への思いと相まって胸が一杯になりました。2020/06/04

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