Q&A 男女共同参画/ジェンダーフリー・バッシング―バックラッシュへの徹底反論

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  • サイズ A5判/ページ数 217p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784750323480
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C0036

出版社内容情報

男女共同参画やジェンダーフリーは、過激で行き過ぎであるという誇張や曲解から、近年批判を浴びている。本書はよくいわれる問題・質問に答え、徹底整理し、あるべきジェンダー平等とは何かをわかりやすく伝える。ジェンダー論やフェミニズムを研究する団体としては日本屈指の日本女性学会内のメンバーが編集・執筆。ジェンダー論・フェミニズム研究者、学生、一般向け。

はじめに――バックラッシュに毅然と立ち向かいます
◆ジェンダーについての整理
1 女らしさ/男らしさ
 Q1 男女共同参画/ジェンダーフリーは、鯉のぼりやひな祭りなどの日本のよき伝統を廃止するのですか?
 Q2 男女共同参画/ジェンダーフリーは、トイレ・風呂・更衣室の男女共用化をすすめているって本当ですか?
 Q3 脳科学では、生まれつき脳には性差があるといわれています。それなら、男と女で考え方や行動、役割に違いがあるのは自然ではないですか?
 Q4 男女を分けることは、差別ではなく区別ではないですか?
 Q5 女性は子どもを産めない体だと、無駄で価値がないのですか?
2 教育の場で
 Q6 ジェンダーフリー教育はどのような意義があったのですか? これまでの男女平等教育とどこが違うのですか?
 Q7 ジェンダーフリー教育は「男らしさ・女らしさ」を認めないので、「行き過ぎ」ではありませんか?
 Q8 男女混合名簿は、男の子と女の子が一緒なので、健康診断のときなどに不便ではないですか?
 Q9 性に関することはいつのまにか覚えることなのに、なぜ、男女共同参画社会/ジェンダーフリーは、性教育をすすめているのですか?
 Q10 「過激な」性教育が、性病を広げ、中絶を容認・推進したり、「援助交際」や「性交」を勧めているというのは本当ですか?
3 家族/恋愛 /セクシュアリティ
 Q11 男女共同参画/ジェンダーフリーは、独身(非婚)・夫婦別姓・離婚・不倫を勧めているのですか?
 Q12 男女共同参画/ジェンダーフリーは、「女性が子どもを産み育てる」「男が女を守る」という母性や父性を認めないのですか?
 Q13 世の中は、男/女の違いがあってこそ、好きになったり、嫌いになったりして、おもしろいのではないですか?
 Q14 男女共同参画社会/ジェンダーフリーは、専業主婦を認めないのですか?
 Q15 女性が社会進出すると、とくに小さい子どもの成長に悪影響を及ぼしませんか?
 Q16 男女共同参画社会は、少子化問題にどのように対処しようとしているのですか?
 Q17 男女共同参画社会では、家族は高齢者介護をしなくなるのではありませんか?
 Q18 家庭内暴力(DV)は悪いことですが、男女共同参画社会/ジェンダーフリーとは関係ないのではありませんか?
 Q19 セクハラ・強姦は、男性を誘うようなしぐさ・格好をしている女性に原因があって起こるのではないですか?
 Q20 ジェンダーフリーの考えでは、買春する男性やセックスワークをどうとらえているのですか?
 Q21 インターネットやメディアの中の暴力的なポルノに対して、男女共同参画/ジェンダーフリーはどのように対応しようとしているのですか?
4 バッシングをこえて
 Q22 なぜ近年になって、男女共同参画/ジェンダーフリーに対してバッシングが広がっているのですか?
 Q23 男女共同参画/ジェンダーフリーは、左翼・共産主義・マルクス主義者の陰謀なのですか?
 Q24 男女共同参画/ジェンダーフリーは、個人の問題を、男女間の敵対の問題や、政治の問題にすり替えているのではないですか?
 Q25 男女共同参画/ジェンダーフリーはひとりひとりの生き方を尊重しているのに、なぜ私たちの日常生活/私生活を「変えろ」と言っているのですか?
 Q26 女性は世の中の半分を占めているのに、なぜマイノリティなのですか?
 Q27 ジェンダー平等は、性同一性障害や同性愛など例外的な人ばかり肯定する思想なのですか?
 Q28 「女性の中の格差」とはどのようなことでしょうか? それはどのように解決すればよいのですか?
 Q29 男女共同参画/ジェンダーフリーになると、自己中心的な人が増えて、愛国心がなくなるのですか?
 Q30 憲法九条・二四条の改定問題と男女共同参画/ジェンダーフリーは、どうつながっているのですか?
 Q31 DV・セクハラ対策、男女共同参画センターの設置、保育所の増設、男女平等教育の推進などの事業に、税金を使いすぎているって、本当ですか?
 Q32 男女共同参画社会基本法に基づく条例が全国各地でできていますが、なぜ条例が必要なのですか?
 Q33 ジェンダーフリーという用語は誤解されやすく危険なので、使わないほうがいいという人がいますが、どうでしょうか?
 Q34 男女共同参画社会/ジェンダーフリーになってよくなることは何ですか? 男性にとってどんなメリットがあるのですか?
◆男女共同参画/ジェンダーフリーができるまで
◆ジェンダー関連用語の基本的意味――ジェンダー・バイアス、ジェンダー・センシティブ、ジェンダーフリー等
◆バックラッシュの背景をさぐる
◆政府の「ジェンダー」および「ジェンダーフリー」に対する見解について
参考文献
資 料
 1 「女性学/ジェンダー学」および「ジェンダー」概念バッシングに関する日本女性学会の声明
 2 各国のジェンダーの使用例
 3 「男女共同参画基本計画(第二次)」(二〇〇五年一二月)内の「『社会的性別』(ジェンダー)の視点」
 4 内閣府男女共同参画局「事務連絡」(二〇〇六年一月)「『ジェンダー・フリー』について」
 5 性の多様性――「性」は、「男」と「女」の二つだけではない
 6 ジェンダー/ジェンダーフリーおよびバッシング関連年表

はじめに――バックラッシュに毅然と立ち向かいます
 男女平等、ジェンダー、ジェンダーフリー、男女共同参画、性教育、フェミニズムに関わる思想や活動、政策、教育などが近年、一部から批判されています。「バックラッシュ」や「バッシング」と呼ばれています。それは、歴史修正主義、憲法や教育基本法改悪をもくろむ人々とほとんど重なった人たちによって組織的・意図的になされています。
 その影響が政府やメディアにも及びだし、徐々に男女共同参画社会の形成にも障碍(しょうがい)になりはじめています。また多くの人の意識にも、フェミニズムの主張への疑問や反発が広がっています。行政担当者や教育関係者は、バックラッシュ勢力の圧力と政府や一部行政・教育委員会の変節の中で、ジェンダーやジェンダーフリーや性教育への言葉狩りや内容への介入にさらされ、まっすぐにものが言えないようになってきています。これは思想・言論の自由をおびやかすひどいことです。
 そこで、こうした状況に危機感をもった私たちジェンダー研究者・教育者は、男女平等やジェンダーに関わってよくいわれる問題・質問にわかりやすく答え、バックラッシュ派に徹底的に反論していこうと考えました。多くの人に男女共同参画側・フェミニスト側の意見を正しく知ってもらい、バックラッシュ派のうそやごまかしにだまされず、自分の思いをみんなが堂々と口に出せるような社会になってほしいという願いから本書を企画しました。意見の違いはあってもいいのですが、ジェンダーフリーや性教育というものをスケープゴートとして、すばらしいものを何もかも否定するプロパガンダ的なやり方には徹底して反対していきたいと思っています。
 執筆者は、主に日本女性学会内部にできたジェンダー研究会に参集した研究者です。日本女性学会とは、「あらゆる形態の性差別をなくし、既成の学問体系をこえた女性学の確立をめざし、そのための研究および情報交換を行うことを目的」として、一九七九年に設立された、研究者、活動家、市民などの集まりです。
 日本女性学会は、二〇〇五年七月には、「『女性学/ジェンダー学』および『ジェンダー』概念バッシングに関する日本女性学会の声明」を発表しました(本書末尾に収録)。また、日本女性学会内の一部有志が二〇〇三年に日本女性学会ニュースに「男女共同参画をめぐる論点」(日本女性学会HPに掲載)というものを簡単にまとめましたが、今回はそれを詳しくし、本として出版することで、広く関係者や関心ある方々に読んでいただき、男女共同参画社会の形成・推進に役立てていただくことを目標にしました。バックラッシュ的な言説に反発を感じながらも、うまく言い返せずもどかしく思っていた人々が、本書を手がかりとして考えを整理し、ジェンダー平等への確信を再確立できればと願っています。

 本書は、フェミニズムや女性学といった男女平等をめざす運動と研究の歴史を踏まえて、「ジェンダー」「ジェンダーフリー」「男女共同参画」「フェミニズム」を積極的に擁護する立場で書かれています。
 構成としては、各質問に簡潔に答えていくQ&A形式を中心としています。どこから読んでもいいように書かれています。前提となる「ジェンダー」に関する基本スタンスについては、本書の最初にまとめましたので、Q&Aとあわせて随時ご覧ください。
 また、いっそう詳しくバックラッシュの主張に対抗的な考えを整理するために、男女平等の流れの整理、バックラッシュの背景と意味について検討した小論、ジェンダー関連の用語の説明、最近の政府のジェンダーやジェンダーフリー概念に対する姿勢への批判、ジェンダーとバックラッシュに関連する年表、ジェンダーに関連する資料、性の多様性の一覧表、参考文献などを後半に集めています。多くの方々のジェンダー平等/男女共同参画への確信が深まることに少しでも参考になれば幸いです。
 ジェンダーの定義や男女平等、男女共同参画社会をめぐっては、専門家の間でも微妙な点では多様な見解があります。本書は、必ずしも全員の意見が完全に一致して執筆しているわけではなく、各項目の担当者が自分の考えで書いています。その意味では、本書は、日本女性学会やフェミニスト全般の統一見解を書いたものではありません。しかし、ジェンダー平等を求め、性差別をなくし、多様な人々が多様なまま認められる社会にしようという気概と基本的視点は完全に一致しています。本書の文言を「唯一の正解」ととらえるのではなく、本書を入り口に、ジェンダー/男女共同参画社会を深く考えていく契機として利用していただければ幸いです。

日本女性学会ジェンダー研究会編集委員一同 

内容説明

本書は、フェミニズムや女性学といった男女平等をめざす運動と研究の歴史を踏まえて、「ジェンダー」「ジェンダーフリー」「男女共同参画」「フェミニズム」を積極的に擁護する立場で書かれています。各質問に簡潔に答えていくQ&A形式を中心としています。

目次

1 女らしさ/男らしさ(男女共同参画/ジェンダーフリーは、鯉のぼりやひな祭りなどの日本のよき伝統を廃止するのですか?;男女共同参画/ジェンダーフリーは、トイレ・風呂・更衣室の男女共用化をすすめているって本当ですか? ほか)
2 教育の場で(ジェンダーフリー教育はどのような意義があったのですか?これまでの男女平等教育とどこが違うのですか?;ジェンダーフリー教育は「男らしさ・女らしさ」を認めないので、「行き過ぎ」ではありませんか? ほか)
3 家族/恋愛/セクシュアリティ(男女共同参画/ジェンダーフリーは、独身(非婚)・夫婦別姓・離婚・不倫を勧めているのですか?
男女共同参画/ジェンダーフリーは、「女性が子どもを産み育てる」「男が女を守る」という母性や父性を認めないのですか? ほか)
4 バッシングをこえて(なぜ近年になって、男女共同参画/ジェンダーフリーに対してバッシングが広がっているのですか?;男女共同参画/ジェンダーフリーは、左翼・共産主義・マルクス主義者の陰謀なのですか? ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りぃ

0
Q&A形式と「バックラッシュに徹底反論」が噛み合っていないというか、読んでいて戸惑う感じも。2011/01/06

yukimono

0
☆42010/12/24

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