世界の高齢化と雇用政策―エイジ・フレンドリーな政策による就業機会の拡大に向けて

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B5判/ページ数 157p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784750323251
  • NDC分類 366.28
  • Cコード C0036

目次

第1章 将来への課題
第2章 50歳以後の就業
第3章 就業へのディスインセンティブと雇用への障壁
第4章 就業へのディスインセンティブを取り除き就業‐引退の意思決定の選択を増やす
第5章 使用者の態度と雇用慣行を変える
第6章 就業能力を向上する
第7章 政策実施に関する結論

著者等紹介

濱口桂一郎[ハマグチケイイチロウ]
1958年、大阪府に生まれる。1981年、東京大学教養学科卒業。1983年、東京大学法学部卒業、労働省入省。1986年および1994年の高齢者雇用安定法改正を担当。1995‐1998年、欧州連合日本政府代表部一等書記官。2001‐2003年、衆議院厚生労働調査室次席調査員。2003‐2005年、東京大学大学院法学政治学研究科附属比較法政国際センター客員教授。現在、政策研究大学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

出版社内容情報

高齢者の雇用問題は、世界的な課題となっている。本書は、OECD加盟各国の高齢者雇用の実態を詳査し、豊富なデータを多数のグラフ・表に明解に示し、使用者の態度と雇用慣行、労働者の就業能力、政策の実施など、さまざまな問題点と課題を提起する。

日本語版刊行によせて
前文
謝辞
概要
序文
第1章 将来への課題
 第1節 人口学的課題の重大さ
 第2節 人口高齢化の経済的帰結
 第3節 高齢期における就業促進の重要な役割
第2章 50歳以後の就業
 第1節 各国間の多様性
 第2節 各国内の多様性
 第3節 高齢労働者の将来展望:ものごとはいつまでも同じではない
第3章 就業へのディスインセンティブと雇用への障壁
 第1節 就業と引退の意思決定を決めるのは何か?
 第2節 引退へのインセンティブ
 第3節 使用者側の障壁
 第4節 高齢労働者の側の障壁
 第5節 就業へのインセンティブを再建し雇用への障壁を取り除く
第4章 就業へのディスインセンティブを取り除き就業-引退の意思決定の選択を増やす
 第1節 年金改革と引退のタイミング
 第2節 早期引退への年金以外のインセンティブの削減
 第3節 引退への弾力的な経路
 第4節 適切な均衡を保つ
第5章 使用者の態度と雇用慣行を変える
 第1節 使用者の態度を変える
 第2節 高齢労働者への需要を縮小させる客観的な要因に取り組む
 第3節 使用者が高齢労働者を支援するよう支援する
第6章 就業能力を向上する
 第1節 訓練文化の促進
 第2節 高齢労働者によりよい職業紹介サービスを提供する
 第3節 よりよい労働条件と健康の促進
 第4節 広い視野でとらえる
第7章 政策実施に関する結論
 第1節 包括的アプローチをとる
 第2節 神話を吹き飛ばす
 第3節 政策をより密接に証拠に連携させる
 第4節 課題から機会へ
参考文献
解説

前文
 高齢期の就業を抑制する雇用・社会政策と慣行は、高齢労働者がいつどのように引退するかの選択を実質的に否定する。さらに、これらは急速な人口高齢化の時代にあって、事業、経済、社会の耐えられないような貴重な資源の浪費をもたらす。これは止めなければならない。早すぎる引退に向かう趨勢を逆転する政策改革が必要である。しかし、多くの有権者に不人気な変革をもたらすために政府は何ができるだろうか。労働者、使用者、そして政府は、いかにして我らの高齢社会を繁栄する未来に導くべく協力できるだろうか。

 本報告はこれらの疑問に答えようとするものである。これは、OECDの高齢労働者の雇用展望を改善するためのテーマ別政策評価の最終報告である。全部で21カ国が4年間にわたって本評価に参加した。各国ごとに報告書が作成され、高齢労働者が直面する主な就業へのディスインセンティブと雇用への障壁を明らかにし、政府機関と労使の行動へのそれぞれの政策勧告を提示している。本報告は、各国評価から得られた主な教訓を引き出している。これはまた、OECD雇用労働社会問題局とベルギー連邦政府の雇用労働労使関係委員会の共同により、2005年10月17、18日にブリュッセルで開催された「高齢化と雇用政策に関するハイレベル政策フォーラム」の主な結論を取り入れている。

 テーマ別評価とフォーラムから得られたキー・メッセージは、人口高齢化は課題でもあり機会でもあるということである。もし何もしなければ、人口高齢化は深刻な経済的・社会的課題となる。しかし、もしより長くより健康な人生がより長い職業生活と釣り合わされるならば、それはまた大いなる機会でもある。

 しかしながら、もしより長く働くことが高齢労働者にとって魅力的でやりがいのあるものであるならば、政府、使用者、労働組合および市民社会団体の協同で、需要サイドと供給サイド双方における行動をとる必要がある。まず、働き続けることへの強い経済的インセンティブがなければならず、既存の助成金付きの早期引退への道を根絶しなければならない。次に、企業の賃金決定と雇用慣行は、使用者が高齢労働者を採用し継続雇用する強いインセンティブを持てるように改革しなければならない。第三に、高齢労働者にはその就業能力を改善するよう適切な支援と奨励を与えなければならない。最後に、使用者と高齢労働者双方の側で、高齢期における就業に対する態度の大きな変化が求められよう。

 本報告がエイジ・フレンドリーな雇用政策と雇用慣行のこの新たなアジェンダを前進させることに役立つことを希望する。我々は過去の諸世代よりも長く健康な人生を送っている。長寿は活動を促進し、活動は今度は富と福祉を促進すべきである。

OECD副事務局長
ベルグリンド・アスゲイルスドティール