中国の地方制度における自治問題―民族区域自治制度に関する考察を中心に

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中国の地方制度における自治問題―民族区域自治制度に関する考察を中心に

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  • サイズ A5判/ページ数 474p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784750322896
  • NDC分類 318.922
  • Cコード C0031

出版社内容情報

中国の歴史における地方自治から現在の地方自治制度の類型、性質及び特徴、特別行政区自治と村民自治、民族区域自治制度とその実態分析まで、自治制度の発展方向も含め、各種の自治制度を全面的に考察する。世界各国の地方自治制度の比較分析に必携の書。

序論
第一章 自治の理念
 第一節 自治の理念
 第二節 地方自治の本旨、類型
第二章 中国の歴史における自治制度――地方自治の実践及び評価
 第一節 近代地方制度の変革――清末における地方自治
 第二節 民国初期の地方自治
 第三節 国民政府による地方自治
 第四節 近代中国の地方自治が現代中国の地方制度に与えた示唆
第三章 現代中国の地方制度における自治制度
 第一節 中国の地方制度概要
 第二節 中国の自治制度の類型及び特徴
第四章 特別行政区自治と村民自治
 第一節 特別行政区自治――香港特別行政区自治に関する考察を中心に
 第二節 村民自治
第五章 民族区域自治
 第一節 民族区域自治制度の形成及び発展
 第二節 民族区域自治の概念及び性質
 第三節 民族区域自治の基本要素
 第四節 民族区域自治地方と中央の関係
 第五節 民族区域自治の現状、問題及び対策分析
第六章 民族区域自治地方の実態分析――延辺朝鮮族自治州を中心に
 第一節 延辺朝鮮族自治州の民族区域自治制度の運用実態
 第二節 中央と民族区域自治地方間関係の実証調査
 第三節 実証の調査結果
 第四節 調査結果の分析
第七章 中国の地方制度の課題と展望
 第一節 世界の地方制度の発展傾向
 第二節 中国の地方制度の課題と展望
あとがき
参考文献

本書の構成(序文より)
 本書は以下のように構成されている。
 序論の部分では、中国における自治問題研究の目的と必要性、先行研究、本書の構成などについて述べた。
 第一章では、中国の自治制度を研究する際、まず、その「自治」に関する基本的な理論問題を論ずる必要があると考え、自治の理念について論述した。この部分では、自治の概念、自治理念の形成及び現代自治理念の核心である地方自治の本旨、類型などの問題について理論的に検討した。
 第二章では、中国の歴史(清末から中華人民共和国の成立まで)にあった地方自治を詳しく紹介し、その地方自治の形成された背景、実際の運営、民主化された程度、失敗した原因、存在した問題及び中国の現在の地方制度への示唆などを分析し、そこから、中国の地方制度、自治制度を改めて考え、民主主義の実現という現代の課題と国際的な自治制度の発展傾向との繋がりを探し出そうとした。
 第三章では、主に中国の現在の地方制度における自治制度の類型、性質及び特徴について論じた。ここでは、中国の自治制度に関して論ずる前に、まずは、その自治制度がどのような地方制度の下に存在し、どのように運営されているかについて紹介すべく、中国の地方制度を簡単にまとめた。そして、具体的な自治制度、すなわち、民族区域自治、特別行政区自治、村民自治・都市住民自治について、総合的に論じた。
 第四章では、特別行政区自治と村民自治を中心に検討した。特別行政区自治の中で、主に香港特別行政区自治に関する考察を中心にし、その特別行政区自治の基本的要素から、特別行政区における中央と地方の関係、特別行政区自治の現状及び問題などについて論じた。その中で、特別行政区と中央の関係に関する論争の焦点になった基本法の解釈権について、具体的な訴訟事件を挙げ、かつ分析しながら、中央と香港特別行政区との関係を検討した。また、村民自治については、これまで形成されてきた村民自治制度の基本理論、その制度の形成過程、村民自治の現状と問題及び対策について分析し、さらに村民自治と他の自治制度との比較分析をも行った。
 第五章では、中国の自治制度の中の最も広い地域で実行され、制度化されている民族区域自治制度について、重点的に論述を行った。同じ自治制度として、特別行政区自治は香港が返還されてから実施したばかりの特別な自治制度であり、民族区域自治制度に比べれば、その影響範囲は広くない。村民自治は、その形成過程から見ると、最初は民主政治という発想からできたものではなく、農村の実際の生活と社会管理上の問題を解決するため、自然にできたのであり、中国の自治制度中の一つの重要な自治形式として憲法と法律の承認を得たのであるが、いまだ完全に制度化されていない。このような意味で、本書は、中国の自治制度を研究する際、民族区域自治制度に重点を置いたのである。第五章では、民族区域自治制度の歴史的発展から、民族区域自治制度の概念、性質、基本要素、及びその具体的な自治権問題について論じ、また、民族区域自治地方と中央との関係、特に財政関係と立法関係について検討した。そして、民族区域自治制度に存在する問題などについて分析し、かつ解決策をも探求した。
 第六章は民族区域自治制度の実態分析である。中国では、制度は整備されていても、実態は制度の予定する通りに展開していないこともある。そこには、制度と現実との乖離がある。そこで、民族区域自治制度に対して、その自治制度の実態を考察することにした。実態調査の対象を、中国の憲法学界であまり研究されていない自治州にした。中国では三〇の自治州があり、これらの自治州は五つの自治区以外に最も広い範囲で影響を持つ自治地方である。また、自治州の中で、延辺朝鮮族自治州は、文化レベルや教育レベル及び自治立法権の行使などの面で、全国の民族区域自治地方の先端に立っているため、それに対する調査を通して、自治州の全般の様子を知る手がかりになると思われる。実態調査は、主にアンケート調査と、現場における実際調査及び自治州の各方面の資料の分析などを通して行った。
 第七章は、全体のまとめとして、中国の地方制度の課題と展望を検討した。世界の地方制度の発展方向と地方自治の発展趨勢に鑑み、かつ中国における地方制度の改革を総括し、そこから、中国の地方制度と自治制度の課題と展望を検討した。特に日本やフランス、韓国などの中央集権国家の地方自治の経験を参照しながら、今後の中国の中央と地方間関係の向かうべき方向に関して検討し、かつ市場経済の下での中国の自治制度のあり方及び民主主義という時代の下での自治制度の発展方向に関して検討した。

目次

序論
第1章 自治の理念
第2章 中国の歴史における自治制度―地方自治の実践及び評価
第3章 現代中国の地方制度における自治制度
第4章 特別行政区自治と村民自治
第5章 民族区域自治
第6章 民族区域自治地方の実態分析―延辺朝鮮族自治州を中心に
第7章 中国の地方制度の課題と展望

著者等紹介

洪英[コウエイ]
1967年中国吉林省生まれ。現在九州大学大学院法学研究院助手。法学博士(九州大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。