Q&A ステップファミリーの基礎知識―子連れ再婚家族と支援者のために

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  • サイズ B6判/ページ数 266p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750322841
  • NDC分類 367.3
  • Cコード C0036

出版社内容情報

近年子連れ再婚が増加するなかで、連れ子への接し方や前の配偶者との関係・社会的偏見など、再婚家族には特有の悩みが多い。本書は「ステップファミリー」という新しい家族のあり方をめぐって、役立つ情報や具体的なアドバイスをQ&A形式で解説する。

第1章 ステップファミリーをめぐる社会状況〔野沢慎司〕
 1 名前を獲得した家族
 2 多様なステップファミリーの共通点
 3 離婚・再婚とステップファミリーの増加
 4 親子関係の変化と離婚後の家族
 5 新しい家族モデルの創造と制度化への道

第2章 ステップファミリーと法制度〔早野俊明〕
 1 継親子関係
 2 夫婦・親子関係に関する民法の構造
 3 ステップファミリーをめぐる法律関係
 4 ステップファミリーの法的地位
 5 ステップファミリーのなかの養子縁組
 6 ステップファミリーをめぐる法律関係の複雑さ
 7 ステップファミリー法制のあり方

第3章 ステップファミリーの家族過程と関係形成
 1 ステップファミリーの複雑性と多様性〔野沢慎司〕
 2 ステップファミリーの家族形成〔永井暁子〕
 3 継母になるという経験〔菊地真理〕
 4 ステップファミリーのネットワーク〔松田茂樹〕

第4章 ステップファミリーへの支援の現状〔茨木尚子〕
 1 ステップファミリーに特有の悩み
 2 誰が支援を求めているか
 3 誰がステップファミリーを支援しているか?

第5章 ステップファミリーの基礎知識Q&A
■生活編〔SAJ〕
Q1 ステップファミリーは、他の家族と何が違うのでしょうか? どんなことが難しいのですか?
Q2 お子さんのいる方と交際することになりました。お付き合いのなかで、彼(彼女)の子どもとどうかかわっていけばいいか悩んでいます。
Q3 結婚を前提に、子連れでお付き合いをしています。実際に同居・結婚をする前にするべきことがあったら教えてください。
Q4 子どもが結婚には賛成してくれたものの、結婚式を挙げることを嫌がっています。再婚される方は、みなどのようにされているのでしょうか? 他全14
■心理・臨床編〔村本邦子〕
Q15 離別や死別を経験した後、新しいパートナーと交際するさいに考えておかなければならないことは何でしょうか?
Q16 再婚することを子どもたちにどのように話したらよいのでしょうか? また、新しい夫婦の関係を子どもたちにどのように理解させたらよいでしょうか?
Q17 継子は、私に面倒をかけてくることばかりで、うんざりします。どうしても「かわいい」と思えません。どうしたらよいでしょうか? 他全8
■法律編〔早野俊明・桑田道子〕
Q23 結婚が離婚や死亡によって解消した後、再婚するまでの家族(プレステップファミリー、ひとり親家庭)は、法律上どのように扱われるのですか?
Q24 結婚が離婚や死亡によって解消した後、親と子どもの姓と戸籍が異なった場合、姓と戸籍を同じにするためにはどうすればよいですか?
Q25 前の結婚が離婚や死亡によって解消した後、再婚をするのに必要な法律上の要件(条件)はありますか?
Q26 子連れ再婚をした場合、子どもの姓や戸籍はどうなりますか?
Q27 離婚後、支払っていた(受け取っていた)養育費は、再婚した場合どうなりますか?
Q28 親権者(監護者)の指定(変更)について教えてください。
Q29 どのような場合に、面接交渉権が許可されたり、否定・制限されたりするのでしょうか。その基準を教えてください。 他全15
■専門サポート編〔茨木尚子〕
Q38 ステップファミリーにかかわる専門機関・専門職には、どのようなものがありますか?
Q39 ステップファミリーへの支援を専門にした相談支援機関はありますか?
Q40 教育機関(学校関係)では、ステップファミリーに対してどのような配慮が必要になるでしょうか?
Q41 保育所、幼稚園などでは、ステップファミリーに対してどのような配慮や支援が必要ですか? 他全9

資料編 ステップファミリーを知るためのブックガイド

はしがき
 本書は、日本のステップファミリーをテーマにした、おそらくはじめての概説書である。これまでにもステップファミリーに関連した書籍は出版されている。例えば、外国の啓蒙書や専門書の翻訳、あるいは個人の経験に基づく関連書籍は少なくない(本書の資料編を参照のこと)。しかし、日本のステップファミリーを正面からテーマに据えて、日本で行われた調査研究の成果や支援実践経験に基づいて書かれた書物は見あたらない。ステップファミリーが一体どのような家族であり、どのような困難や援助ニーズがそこにあるのかについて、社会の共通認識や議論がまだ十分に現れていない現在、本書は広く社会に新しいメッセージを送り込むことを意図している。
 本書が想定している読者は、おもに次の三つである。
 第一に、現在ステップファミリーを経験している、あるいはこれから経験するかもしれない当事者の方々である。本書は、何らかの悩みや迷いを感じながら家族生活を送っているステップファミリー当事者のために役立つ知識と情報を提供することを目指している。もちろん、自分自身はその経験がなくてもステップファミリーとの交流経験がある人も多いだろう。そういう一般の方々にも、ステップファミリーについての理解を深めるために本書が読まれることを願っている。
 第二の読者は、おもに支援者という立場からステップファミリーの大人や子どもたちと接するさまざまな専門職や実務家の方々である。具体的には、教育・保育機関、家庭裁判所、医療・保健機関、および社会福祉の領域における家族支援機関などでステップファミリーにかかわっている職業人の支援業務に資する知識と情報の提供を目的としている。
 第三に本書は、社会学、社会福祉学、法学、心理学など広範な学問分野で家族研究にかかわっている研究者および大学院生・大学生を対象としている。どの学問領域の家族研究であれ、ステップファミリーへの理解を深めることは、現代の家族とは何かを考察するための新しい視点を導いてくれるだろう。大学・大学院の講義や演習の教材としても適している。(後略)
野沢慎司

目次

第1章 ステップファミリーをめぐる社会状況
第2章 ステップファミリーと法制度
第3章 ステップファミリーの家族過程と関係形成
第4章 ステップファミリーへの支援の現状
第5章 ステップファミリーの基礎知識Q&A
資料編 ステップファミリーを知るためのブックガイド

著者等紹介

野沢慎司[ノザワシンジ]
1959年生まれ。1989年、東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学。静岡大学人文学部助教授を経て、明治学院大学社会学部教授。専攻:家族社会学、社会的ネットワーク論

茨木尚子[イバラキナオコ]
1959年生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、障害者福祉現場を経て、1985年、明治学院大学大学院社会学研究科博士前期課程修了。明治学院大学社会学部助教授。専攻:社会福祉運営論、障害者福祉学

卓俊明[ハヤノトシアキ]
1958年生まれ。1992年、早稲田大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。岩手大学人文社会科学部助教授を経て、白鴎大学法学部・法科大学院教授。専攻:家族法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Die-Go

43
図書館本。ステップファミリーに興味が湧いたので。子連れ再婚はなかなかに難しいものがある。その難しさを過不足なく解説してある本書はステップファミリーの方々に勇気を与えるものとなるのではないだろうか。前半は様々な視点からのステップファミリーの解説。後半は当事者や支援者からの質問と言う形を取ったQ&A。特に後半は分かりやすくて良かった。★★★★☆2018/11/02

木麻黄

4
いずれ書こうと思って書きそびれた書籍です。この頃はまだ,継親に対するアドバイスがおっかなびっくりというか,すごく遠回しな感じがするのですけど,あれから随分と知見の集積と実務の積み重ねが進み,かなり確信をもった姿勢に変化していますね。この分野の専門性が,日本社会の家族形態の激変に伴って,急激に伸張していることがうかがえます。新書で,ステップファミリーという書籍が,著者らと立場を同じくする視点から出版されていますので,近年の動向を知りたい向きはそちらを読んだ方がいいでしょう。2020/02/26

まったん

2
著書はステップファミリーの当事者のみに向けて作られたものではなく、ステップファミリーに関わる教育機関や家庭裁判所、または家族研究に関わる研究者や学生の教材にもなるように作成されたものなので、わたしには少し読みにくかった。でも、養子縁組についてわたしが一番知りたかったことが書かれていたのはよかった。今まではステップファミリーになることでの心理的な影響などは学んでいたけど、ステップファミリーになるなら知っておきたい法律など詳しく書かれているのでステップファミリーの方は一度読んでみても良いと思う。2016/07/25

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