アメリカの教育開発援助―理念と現実

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アメリカの教育開発援助―理念と現実

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  • サイズ A5判/ページ数 281p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784750322407
  • NDC分類 333.8
  • Cコード C0037

出版社内容情報

途上国の教育開発問題は国際社会における地球規模の問題である。国際援助コミュニティで大きな役割を果たし、援助政策が政治/安全保障の理念に強く規定される、アメリカの教育開発援助の基本構造を分析することで、その理念と現実との関連を論証する。

はじめに
第1章 教育開発援助のイデオロギー的背景
 第1節 近代化モデルと教育開発援助
 第2節 従属論モデルと教育開発援助
第2章 国際援助コミュニティの教育開発援助理念の潮流
 第1節 教育開発援助の潮流
 第2節 経済開発と関連した教育開発援助
 第3節 人間の基本的ニーズ充足のための教育開発援助
 第4節 効率的な経済開発と教育開発援助
 第5節 「人間を中心とした」開発援助理念の出現と教育開発援助
 第6節 今後の展望
第3章 アメリカの教育開発援助の生成と展開
 第1節 アメリカの教育開発援助の原型
 第2節 1961年対外援助法の成立――開発の時代と教育開発援助
 第3節 1973年度改正対外援助法と新路線――人間の基本的ニーズ充足の開発援助理念
 第4節 構造調整政策への転換――経済効率優先の援助理念
 第5節 新たな開発援助をめぐって――基礎教育開発援助の導入
第4章 政治/安全保障の援助政策理念にみるアメリカの教育開発援助
 第1節 アメリカの開発援助政策理念と教育開発援助
 第2節 アメリカの研修生訓練プログラムにみる政治/安全保障の援助政策理念
第5章 アメリカの教育開発

はじめに
 今日、途上国の低開発の原因や克服、開発援助理念・戦略に関していまだ国際的に認められた定説はない。南北問題、開発援助理念、開発援助戦略について、おびただしい著作が国内、海外問わずに出版されている。これらは開発経済学からであったり、国際開発学、または開発援助に直接携わる現場からであったり、実に多種多様である。これは、現在国際社会で明確な開発援助理念や戦略が存在せず、模索せざるを得ない状況を示しているにほかならない。このように「開発援助とは何か」「南北問題の原因とは何か」「開発援助理念はどうあるべきか」は地球規模の今日的問いである。
 このような状況下において、1970年代以降、途上国の教育開発研究が欧米を中心に急速な勢いで増え、それに応じて広く先進諸国あるいは多国間機関の教育開発援助に関わる理論的関心が増しつつある。これは、国際社会の政治的経済的相互依存は途上国の持続的自立(sustainable self-sufficiency)によるという国際的合意があるにもかかわらず、その持続的自立の前提である途上国の教育開発問題が先鋭化しているからである。確かに途上国の教育は独立を果たした1950/60年代に比べて長足の進歩を遂げた。多くの教、教育開発援助には飢餓や疾病に対する援助と同じ意味合いをもってアプリオリに「当然のプラスの価値」ないし「人道的なもの」が付与される傾向にある。すなわち、基本的権利の1つである教育に対する開発援助は「当為」で、かつ途上国の教育開発ニーズを前提としているとみなされているのである。このため、教育開発援助を取り巻く様々な規定要因が看過されており、その要因の分析が欠けているのが実情である。しかしながら、教育開発援助は例えば国際政治経済体制、国際援助コミュニティ(international assistance community)の開発援助理念、そして援助供与国の外交政策や対外援助政策等により影響を受けているのが実態であり、教育開発援助が途上国の外部に存在する要因により作成・実施されていることを認識しなくてはならない。これには1980年代に生じた累積債務問題といった国際政治経済情勢が構造調整政策を導き、1970年代の人間の基本的ニーズ(Basic Human Needs: BHN)充足の初等教育やノンフォーマル教育開発援助とは180度異なった教育開発援助を実施するようになった事象からも理解される。また援助供与国の外交政策や対外援助政策により規定されている人道主義的援助、経済的利益援助、示されることである。アメリカの教育開発援助は、国外・国内の教育開発援助の理念と現実との関連という一般論を位置付けるうえで大きな示唆に富む。
 本書ではまず「第1章 教育開発援助のイデオロギー的背景」で教育開発援助の近代化モデルと従属論モデルを概括し、今日の教育開発援助のイデオロギー的支柱を理解する。次にアメリカの教育開発援助が国際援助コミュニティの援助理念と国内の援助政策理念に密接に関連していることを示すことを目的に、2つの分析視角からみる。第1の視角として、アメリカの教育開発援助が国際援助コミュニティの教育開発援助理念の潮流とどのような相互作用をもって形成・実施されているのかを検証する。これを「第2章 国際援助コミュニティの教育開発援助理念の潮流」と「第3章 アメリカの教育開発援助の生成と展開」により考察する。そして第2の視角は、アメリカが保持する政治/安全保障の援助政策理念による教育開発援助の特質という分析視角からのアプローチである。これは、第3章及び「第4章 政治/安全保障の援助政策理念にみるアメリカの教育開発援助」により検討・把握される。このように本書は第3章を中心として従来の教育開発援助研究が没歴史的・形から、教育は途上国政府が実施する「公教育」を中心に論じる。次に「開発」では、その英語である「development」の日本語での語義を探れば、大別して他動詞としての「開発」と自動詞としての「発展」の意味がある。前者には、国家や企業などの大組織が主体となって開発途上国を引き上げ(押し上げ)ていくというニュアンスが含まれる。後者は市民社会そのものが主体となって途上国の人々自らがある目標に向かって進展していくという捉え方である。本書では前者の意味合いを踏まえて「開発」と定義して論を進めたい。そして「教育開発」は途上国政府が行う教育開発政策策定(policy-making及びpolicy strategy)、具体的な計画(planning及びplanning strategy)、及びその実施(organization of implementation)の「総体」を表すものとする。「援助」は広範囲な援助の定義をすると、考察そのものが無限に広がる可能性があるため、本研究では次の限定した定義を用いる。すなわち、「援助」とは、「供与国が受取国(途上国)に対して政府開発援助(Official Development Assistance:以下ODA)が中心的な役割をもつ社会経済開発を目的としたプログラム・プロジェクトの総体」である。「教育開発援助」は

内容説明

本書において、アメリカの教育開発援助を総合的かつ具体的に検証し、アメリカの教育開発援助の基本構造を分析することにより、教育開発援助の理念と現実との関連を論証することを目的とする。

目次

第1章 教育開発援助のイデオロギー的背景(近代化モデルと教育開発援助;従属論モデルと教育開発援助)
第2章 国際援助コミュニティの教育開発援助理念の潮流(教育開発援助の潮流;経済開発と関連した教育開発援助 ほか)
第3章 アメリカの教育開発援助の生成と展開(アメリカの教育開発援助の原型;1961年対外援助法の成立―開発の時代と教育開発援助 ほか)
第4章 政治/安全保障の援助政策理念にみるアメリカの教育開発援助(アメリカの開発援助政策理念と教育開発援助;アメリカの研修生訓練プログラムにみる政治/安全保障の援助政策理念)
第5章 アメリカの教育開発援助の理念と現実(アメリカの援助政策にみる教育開発援助の形成;国際援助コミュニティの教育開発援助理念とアメリカの関連 ほか)

著者等紹介

佐藤眞理子[サトウマリコ]
1977年慶應義塾大学大学院社会学研究科修士課程修了。ユネスコ・アジア・太平洋地域教育事務所(タイ)勤務、米国ジョージ・ワシントン大学客員研究員などを経て、筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授。博士(教育学)。専攻は比較・国際教育学、教育援助政策論、途上国の教育開発(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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