内容説明
天目茶碗は日中茶文化の接点として象徴的な存在である。日中の諸資料を博捜、中国と日本で実際に使われていた天目茶碗の諸相を明らかにし、それぞれの喫茶法の違いを背景に、その役割の違いや日中間をどう繋いだのかについて考察した。天目茶碗への新たな視座を提供する意欲作。
目次
第1章 薬用の茶と日中茶文化の歴史(薬用の茶と嗜好品の茶;中国から日本へ請来された三種の喫茶法)
第2章 天目茶碗考(点茶法の茶と天目茶碗;『君台観左右帳記』からみる天目茶碗の産地と種類―「建盞」と「天目」;十六世紀の茶会記にみる天目茶碗の状況;「天目」の由来再考―「天目」の碗名が使われ始めた時期とその背景について;「天目」と「茶わん」の関係)
第3章 天目茶碗のような金属製茶碗の調査と馬蝗絆(平重盛伝来の箱書を持つ内金張り茶碗;青磁茶碗「馬蝗絆」の語義について)
著者等紹介
岩田澄子[イワタスミコ]
1958年北海道生まれ。1980年共立薬科大学(現慶應義塾大学)薬学部、1995年慶応義塾大学文学部、1999年同大学法学部卒業。2014年武蔵野学院大学大学院博士後期課程修了。博士(国際コミュニケーション学)。武蔵野学院大学日本総合研究所アカデミックフェロー、茶の湯文化学会会員、薬剤師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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