世界人権問題叢書<br> 人権の原理と展開

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世界人権問題叢書
人権の原理と展開

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  • サイズ B6判/ページ数 257p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750322292
  • NDC分類 316.1
  • Cコード C0336

出版社内容情報

人間の尊厳である人権を生命の尊厳に基づいて理解し、様々な側面と視点から考察する。「遺伝子決定論」の批判的検討、「差別と人権」「環境と人権」など、普遍的な人間の権利として人権を捉えつつも、他の生命と事物への相互依存の関係の中で問題を提起する。

まえがき
一 人間の尊厳について
 1 序論
 2 個人としての人の尊厳
 3 社会的存在としての人の尊厳
 4 生命の尊厳と人間の尊厳
二 「遺伝子決定論」の批判的検討
 1 「遺伝子決定論」に対する諸批判
 2 遺伝子問題と人権
三 仏教における差別と人権――浄土真宗教団を例として
 1 同朋運動五十年の総括
 2 行基と民衆教化
 3 近世以降における民衆教化と被差別民
四 親鸞思想についての若干のメモ
 1 宿業と宿命
 2 縁起の思想
 3 「屠沽の下類」をめぐって
 4 往相廻向(おうそうえこう)・還相廻向(げんそうえこう)――親鸞の現世直視
五 異質性に対する忌避
 1 人種差別のケース
 2 ケガレにもとづく異質性のケース
六 人権を基軸として部落問題を考える
 1 人権の原点に位置する部落問題
 2 解放を展望する部落解放同盟の新しい綱領
七 共闘の意義――部落解放運動と地域共闘にかんして
 1 市民(住民)との共闘
 2 差別糾弾から共闘へ
八 社会の外・社会の下――インドと日本
 1 インドのある農村にて
 2 明治初期の日本社会
九 環境と人権
 1 人間中心主義について
 2 共生の思想について
 3 環境的公正について――環境破壊と社会正義
 4 チプコの女たち――インドにおける一つのエコフェミニズム
十 循環型社会を求めて
 1 廃棄物問題
 2 循環型社会への大きな道――ゼロエミッション
あとがき

まえがき
 本書は人権のさまざまな側面について、重要と思われる各視点から考察している。
 人権は直接的には人の尊厳という理念に基礎をおいている「普遍的」な人間の権利だが、人の尊厳という理念、したがって人権を、人間の社会だけに限定して考えるのは充分ではないというのが筆者の見解である。
 一つの例をあげてみる。
 人間の尊厳は生命の尊厳にもとづいている。人間の生命は、生態系の中で他の生物、また非生物的要素に依存している。したがって、生命の尊厳にもとづく人間の尊厳、および人権は、人間以外の他の生命や事物に相互依存の関係にある。この依存関係は一般論的にいえば、人間と他の事物(生命をふくむ)との共生ということであろうが、具体的には検討しないで、共生というまろやかな言葉のあやによりかかって、それ以上の考察を中止してしまうことは適切ではない。人間は他の生物の「殺生」によってみずからの生命を維持しているのが現実であるから、人権という名のもとに、共生という美しい言葉のかげにかくれて、他の生物の権利(生きる権利をふくめて)を無視することは許されない。そこには一定の条件があり、倫理があって、人権の「普遍性」が制限されると考えるのが当然である。
 「必然と自由」は哲学的にいってもむつかしい問題であるが、本書では「遺伝子決定論」の批判的検討、仏教の業・輪廻論の再考のなかで、人権を自律的意志にもとづく行為への責任との関係で論じている。現在にいたるまでのもろもろの条件の集約として今があり、その現在が未来へとどのように展開していくのか。そこに自由の問題があり、人権の課題がある。親鸞の思想をどのように理解するのかが一つのかぎである。
 被差別部落の問題は日本の社会における差別・人権の原点である。少なくとも筆者にはそのように考えられる。部落解放運動の歴史の総括、差別糾弾の評価、市民運動への発展など、人権を基軸にして未来へと展望する分析が必要である。
 異質なもの、また、異質だと思われているものに対する忌避・嫌悪は差別・人権問題の大きなテーマである。本書では、この視点から人種差別、ケガレ差別をとりあげている。
 国連の人種差別撤廃条約では、人種差別の定義の中に「世系にもとづく差別」があげられ、インドのダリット差別、日本の部落差別が該当するものとされている。日本の部落差別がなぜ「人種差別」とみられているのか、また、「人種」定義の再検討とともに、そのように理解することがなぜ国際的に必要なのか。本書では、このことを異質性に対する忌避という大きな文脈のなかで考察しようとしている。「ケガレ」をどう把握するかはそれじたい大きなテーマだが、本書では人種差別と同じく、異質性、忌避、排除が深く刻印されているものとして、ケガレ差別をとりあげた。
 「環境と人種」はこんごますます重要になってくる課題と思われ、人権の理解にとっても不可欠の視点を与えるものとして、より多くのページをさくべきものであった。しかし、筆者は『エコロジーと人権』(一九九八年、明石書店)という書を世に問い、この問題をある程度くわしく論じているので、関心のある方は参照していただけると幸いである。

二〇〇五年一〇月
村田 恭雄

内容説明

本書は人権のさまざまな側面について、重要と思われる各視点から考察している。

目次

1 人間の尊厳について
2 「遺伝子決定論」の批判的検討
3 仏教における差別と人権―浄土真宗教団を例として
4 親鸞思想についての若干のメモ
5 異質性に対する忌避
6 人権を基軸として部落問題を考える
7 共闘の意義―部落解放運動と地域共闘にかんして
8 社会の外・社会の下―インドと日本
9 環境と人権
10 循環型社会を求めて

著者等紹介

村田恭雄[ムラタヤスオ]
1922年生まれ。桃山学院大学名誉教授。社団法人和歌山人権研究所理事長。人権問題、環境問題専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬参仟縁

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人権がなぜ擁護されねばならないのか、がよくわかる本。人権を考えるスタンスとして、①人権は民衆によって歴史的に闘いとられてきたもの、②最も苦しめられ、虐げられてきた人びとの立場で人権を考えること、③次世代以降の人びとの人権を視野にいれること、④グローバルな視点にたっての人権の問題。特に、②が原発問題を考察するうえで、不可欠な視点である。2012/04/12

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