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明石ライブラリー
無のグローバル化―拡大する消費社会と「存在」の喪失

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  • サイズ B6判/ページ数 425p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750321585
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0336

出版社内容情報

ファストフード店やチェーン店舗の拡大、クレジットカードや自動決済システムの浸透、ブランド品の横溢――マクドナルド化とアメリカ化、資本主義のグローバル化が現代消費社会に何をもたらしているのかを、マクドナルド化理論の提唱者が論じる。

日本語版序文
はじめに
謝辞
第一章 無――手短な(冗長であってはならない)序論
一 無
二 映画による例証
三 無(および存在)――さらなる明確化
四 無は絶無ではない
五 無の擁護
六 無の生産
第二章 無(および存在)の概念化
一 独自なものと一般的なもの(一つの種と交換可能であること)の連続体
二 地元と結びついているものと地元と結びついていないものの連続体
三 時間特定的なものと無-時間的なものの連続体
四 人間関係が豊かなものと人間関係が乏しいものの連続体
五 魅惑するものと幻滅させるものの連続体
六 連続体上の現象はグローバル化とどう関係しているのか
七 これらの概念は客観的なものか
第三章 無体との出会い
一 非場所(および場所)
 一・一 とびきり素敵な場所とマクドナルド化された非場所に関する試み/一・二 場所と非場所の分析
二 非モノ(およびモノ)
 二・一 モノと非モノの分析
三 非ヒト(およびヒト)
 三・一 ヒトと非ヒトの分析
四 非サービス(およびサービス)
 四・一 サービスと非サービスの分析
五 無(および存在)の主要形態間br>三 インターネット上での無体との出会い
四 非場所としてのインターネット上の大規模消費サイト
五 大規模な消費ウェブサイトで販売される非モノ
六 大規模な消費ウェブサイトの非ヒト
七 大規模な消費ウェブサイトの非サービス
八 グローバル化
第七章 無(および無のグローバル化)に関する(必要あってしめす)いくつかの結びの見解
一 無が増大しているとしても、存在は衰退しているのか
二 無および無の蔓延の肯定的側面
三 無の蔓延の否定的側面
四 グロースバル化と喪失
五 落差の説明
六 ノスタルジアなのか
七 時とともに変化する
八 どのようにして、内容の乏しいものを内容の豊かなものにすることができるのか
九 インターネット上で無を存在に変える
一〇 無の経済学
一一 多数の無もやはり無である
第八章 グローバル化(および無)に関する結びの見解
一 グロースバル化とグローカル化の対比
二 ローカルなものは蘇生できるか
三 無のグローバル化と二〇〇一年九月十一日
四 消費および消費の彼方
五 ブランドの役割
六 無のグロースバル化への対応
付録 無――理論上および

はじめに
 本書は主要には無に関する書物であるが、それだけではなく、全世界での無の増殖、つまり無のグローバル化に関する書物でもある。本書の基本的主張は、グローバル化と無(少なくとも、実質的にはほとんど空虚であり、中央で構想され、管理される形態という意味での無)は密接に関連しているということである。明らかに、中央で構想され、管理されるもののほうがグローバル化しやすい。逆に、現地で構想され、管理されるもののグローバル化は非常に難しい。また、(今日では、すべてのものが多かれ少なかれグローバル化しているが)内容の詰まった形態より、ほとんど空虚な形態のほうが、はるかにグローバル化しやすい。その主な理由は、内容の多いものには、世界のほかの文化に適合しない、さらにはそれらと対立する可能性が高いことである。内容が豊かであればあるほど、何らかの現象が適合しなかったり、受容されなかったりする機会が増える。しかし皮肉にも、受け入れられ、維持するうえで空虚な形態は独自の問題を抱えている。最も重要であるのは、実質的内容の詰まった文化(つねに文化とはそのようなものであるが)は空虚な形態(たとえばショッピングモール)を時として受容できななもののなかに居座る過程を説明するものとして、グロースバル化(grobalization = growth + [glo]balization)という新しい用語を造る。そうして、ともにグローバルなものとみなせるが、互いに激しく対立している二つの下位の過程を含むものとしてグローバル化を考察する。つまり、グローバル化はグロースバルなものとグローカルなものとの深刻な衝突をはらんでいる。(「はじめに」より抜粋)

目次

第1章 無―手短な(冗長であってはならない)序論
第2章 無(および存在)の概念化
第3章 無体との出会い
第4章 グローバル化
第5章 グロースバル化とグローカル化および存在と無
第6章 無および無のグロースバル化の究極例なのか―インターネット上の大規模な消費サイト
第7章 無(および無のグローバル化)に関する(必要あってしめす)いくつかの結びの見解
第8章 グローバル化(および無)に関する結びの見解
付録 無―理論上および方法論上の諸問題

著者等紹介

リッツア,ジョージ[リッツア,ジョージ][Ritzer,George]
1940年生。コーネル大学で博士号(Ph.D.)取得後、北京大学、ブレーメン大学等での客員教授を経て、メリーランド大学社会学部教授

正岡寛司[マサオカカンジ]
1935年生。早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻修了。早稲田大学文学部教授

山本徹夫[ヤマモトテツオ]
フリーランスの翻訳家。哲学、経済学、応用物理学など多分野におよぶ研究論文(仏語または英語)の翻訳多数

山本光子[ヤマモトミツコ]
フリーランスの翻訳家。東京女子大学社会学部卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ががが

2
独自の内容に富み、現地で構成され、制御しにくいものを存在(something)、とした上でその対立の概念である、無(nothing)がグローバル化していくプロセスを分析している。無は特有の内容に欠け、中央で構成され、制御しやすいので、簡単に拡大再生産され、地球を無が覆ってしまう懸念がある。またグローバル化の下位概念として、グロースバル化(grow)とグローカル化(local)という2つの相補する視点を導入して、さまざまな現実の社会に適用している。内容はかなりの抽象度だが、例は豊富なのでなんとか読み終えれた2015/01/31

SQT

1
グロースバル化(growth+global)をグローカル化に対置しているのが独特で面白かったけど、「存在」と「無」の分け方から溢れ出るエリート主義に半分で断念。著者はエリート主義ではないとわざわざ否定しているけど、スーパーマーケットやらなんやらを「無」というすごく規範的に解釈できるものに落とし込んでいたのはうーん、という感じ。そこを中心に成り立つ生活もたくさんある。というかそっちの方が明らかに大多数。生活者を無視した議論に見える2017/06/04

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