科学技術とジェンダー―EUの女性科学技術者政策

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 103p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784750320021
  • NDC分類 407
  • Cコード C0036

出版社内容情報

ヨーロッパ産業界が活性化する上で、女性研究者が担う役割と、彼女達が直面する職業上・生活上の障害を分析した研究報告。洋の東西を問わず、私生活と仕事の板挟み、公的な場面での差別に悩む姿が浮き彫りになる。

序(フィリップ・ビュスカン研究総局長)
まえがき
第1章 イントロダクション
第2章 なぜ科学と技術開発で女性に注目するのか
第3章 産業界で研究に従事する女性──概観
第4章 2010年に向けての展望──チャンスと取り組み
第5章 起業家──経済活性化の切り札
第6章 結論と提言
参考文献と出典
略語一覧
訳者あとがき

訳者あとがき
 本書は、欧州連合(EU)で科学技術研究にかかわっている専門家グループによってまとめられた報告書である。グループを組織したのはEUの研究総局である。特に科学技術に限定しなければ、わが国において諸外国の女性の雇用一般に関する研究は幾冊かすでに出版されている。しかし特に女性の科学技術者に限定し、EU全体を概観した書物は現在のところほとんど無く、その点が小冊子ながら本書のユニークな点である。加えて、多くのグラフを組み込んだ本書はきわめて手軽で、EUの科学技術政策における女性登用策の概要を知るに便利である。EUは2004年5月から25カ国になったが、本書の基本的データの価値はけっして失われていないし、そこに見られる提言の多くは、一般企業のみならず法人化元年を迎えた大学運営にも有益ではないかと思われる。

 EUの政策は4年ごとに区切られていて、ちょうど10年ほど前に開始された第4次フレームワーク・プログラム(1994-98)の頃から女性と科学の問題が大きく取り上げられるようになった。とりわけ1998年にはフランス初の女性首相経験者であるエディス・クレッソン研究総局長の肝いりで、欧州委員会と欧州議会が共同して「された。

 科学と女性の問題についてこれまで取り組んできた歴史研究と違って、『ETANレポート』や『ヘルシンキ・レポート』を通して、EUにおける女性科学者・技術者支援政策を知るようになると、具体的なジェンダー平等推進政策における日本の立ち遅れが気がかりになりはじめた。そのような折、2003年度の21世紀COEプログラムにお茶の水女子大学の「ジェンダー研究のフロンティア」が採択された。同プログラムは四つのプロジェクトで構成され、そのなかに「身体と医療・科学・技術」をテーマに事業推進を行うプロジェクトも組み込まれることになった(プロジェクトC:リーダー舘かおる)。プロジェクトCのお手伝いをさせていただくなか、EU研究総局の「女性と科学」ユニット部長として第5次フレームワーク・プログラムで活躍されたニコル・ドゥワンドルさんを本年2月お茶の水女子大学に招聘することが出来、舘かおる先生のご尽力の下に講演会やシンポジウムが開催された。

 ドゥワンドルさんの来日を機会に、本書の翻訳を具体的に相談し、版権の問題も一切無用である旨の了解を得て、すでに第2版の出版となって欧米で広く読まれ活用されている本書の翻訳に本格的に取り組

目次

第1章 イントロダクション
第2章 なぜ科学と技術開発で女性に注目するのか
第3章 産業界で研究に従事する女性―概観
第4章 2010年に向けての展望―チャンスと取り組み
第5章 起業家―経済活性化の切り札
第6章 結論と提言

著者等紹介

リュープザーメン=ヴァイクマン,ヘルガ[リュープザーメンヴァイクマン,ヘルガ][R¨ubsamen‐Waigmann,Helga]
バイエル株式会社副社長、フランクフルト大学教授

小川眞里子[オガワマリコ]
三重大学人文学部教授。専門は科学史・科学論

飯島亜衣[イイジマアイ]
上智大学大学院文学研究科教育学専攻博士後期課程2年

※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。