出版社内容情報
性虐待を受けた子どものために子ども自身でも読めるように書かれ、女の子編と男の子編に分かれている。優しく力強い言葉で語りかけ、子ども自ら性虐待の影響を癒し恢復することを助けてくれる。親や周囲の大人が子どもの心を理解し助けるためにも役立つ。
この本を手にしたあなたへ
謝 辞
はじめに:親御さん、および周囲で見守る大人の方へ
この本を読む子どもたちへ
女の子へのガイド
1・性ぎゃくたいってどういうこと?
2・だれが性ぎゃくたいを受けるの?
3・性ぎゃくたいをするのはどんな人?
4・性ぎゃくたいを受けたのは、わたしのせいなの?
5・子どもたちに性ぎゃくたいをする人たちは、何を考えていて、どんなやり方をするの?
6・なぜ性ぎゃくたいは悪いことなの?
7・どうしたら助けをえられるの?
8・わたしはこのことをどう話したらいいの?――話すのをためらうのはなぜ?
9・だれかにこのことを話したら、どんな気持ちになるの? 何が起きるの?
10・カウンセラーという人は何をするの?
11・性ぎゃくたいを受けたとき、ほかの女の子たちはどのように感じたの?
12・わたしは性ぎゃくたいからかいふくできるの?
男の子へのガイド
1・性ぎゃくたいってどういうこと?
2・だれが性ぎゃくたいを受けるの?
3・性ぎゃくたいをするのはどんな人?
4・性ぎゃくたいを受けたのは、ぼくのせいなの?
5・子どもたちに性ぎゃくたい
はじめに|親御さん、および周囲で見守る大人の方へ
あなたがこの本を手にしたのにはさまざまな事情があると思いますが、身近にいるお子さんに性虐待の出来事、またはその疑いが生じたためという方が多いと思います。そのなかで、あなた自身がとても複雑な思いを抱えながら、性虐待というテーマにきちんと目を向けてくださった勇気に、敬意と感謝をおくります。もしも、あなたがこの本を読むときにあまりにたくさんの感情がこみ上げてくる場合には、最初はあなた一人だけで読んで、ある程度落ち着いて読めるようになってから、お子さんと一緒に読むようにしてください。
この本は、性虐待を受けたことのある女の子・男の子(概ね12歳以下)のために書かれたものです。9歳以上のお子さんは、子ども自身でこの本を読むことができるかもしれませんが、一部の言葉遣いや考え方については大人の手助けが必要になるかもしれません。もっと年下のお子さんには、大人の助けが必要だと思います。
もし、お子さんがこの本を自分で読む力があっても、性虐待から恢復するためには、子どもたちには大人の助けが必要であり、あなたが一緒に読んであげることは、お子さんにとって大きな援助となるでび子どもたちが自らの力を取り戻し成長していけるようになる過程のことを「恢復」と表しました。日常的には「回復」という表現が多く使われますが、「回復」は「ただ元に戻る」の意味が強く、一方、「恢復」の言葉には「小さくなったものを大きく広げて戻す」という意味が込められており、私たちの思いをより適確に表してくれると感じたのでこちらを用いました。
ところで、お子さんが、自分の受けた性虐待について話をしてくれるなかで、いったんは「虐待を受けた」と話していながら、時に話の筋道が矛盾したり、あるときは「受けなかった」と話を取り消すような場面も出てくるかもしれません。このことについては当然、親御さんたちも戸惑うと思いますが、この本のなかでも触れられる“性虐待の被害を受けた子どもたちの心の動き”としてよく見られることです。ですから、これらのことから「話に信憑性がない」と決めつけることは間違いであり、「それは起こらなかった」と立証する明らかに確実な証拠がないかぎり、お子さんの話を信じることが重要です。一番はじめに話した大人に信じてもらえなかった子どもは、基本的信頼が損なわれることが多く、たとえその後すぐに大人が子どもの言い分を認とめたものなので、性虐待の本質を理解するのに役立つでしょう。
目次
女の子へのガイド(性ぎゃくたいってどういうこと?;だれが性ぎゃくたいを受けるの?;性ぎゃくたいをするのはどんな人?;性ぎゃくたいを受けたのは、わたしのせいなの? ほか)
男の子へのガイド(性ぎゃくたいってどういうこと?;だれが性ぎゃくたいを受けるの?;性ぎゃくたいをするのはどんな人?;性ぎゃくたいを受けたのは、ぼくのせいなの? ほか)