ディスアビリティ・スタディーズ―イギリス障害学概論

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  • サイズ A5判/ページ数 349p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784750318820
  • NDC分類 369.27
  • Cコード C0036

出版社内容情報

障害当事者による「障害」のとらえ直しによって学問的研究が進むイギリスの障害学について、歴史的な発展過程や現在の理論体系を概説。障害学を学ぶ人にはもちろん、社会運動論、カルチュラル・スタディーズに関心のある人にも新たな視点を与える貴重な一冊。

訳者まえがき(杉野昭博)
謝辞

第1章 イントロダクション
1. はじめに
2. 用語について
3. 本書の概要

第2章 ディスアビリティの理解
1. 10年でなんと変わったことだろう!
2. 社会学的想像力の発展
3. 比較歴史学的パースペクティブ
4. 二つのモデル
5. 社会学的テーマとアプローチ
まとめ

第3章 慢性病と障害への社会学的アプローチ
1. 病者役割
2. ラベリング論
3. 「慢性病と障害」の経験
4. 医療専門家の権力
5. 医療化
6. 障害のある身体の社会学に向けて
まとめ

第4章 ディスアビリティ理論への招待
1. ディスアビリティ分析の新しい方法
2. ディスアビリティの社会理論の発展
まとめ

第5章 ディスエイブリングな障壁
1. ディスアビリティと家族
2. 教育
3. 雇用
4. 建築環境・住宅・交通システム
まとめ

第6章 社会政策と障害者
1. ディスアビリティと福祉国家
2. 所得保障政策
3. 地域コミュニティにおける社会的支援
まとめ

第7章 政治と「ディスアビリティの政治」
1. 政治と障害者
2. 障害

訳者まえがき
 本書はまず、「障害学」に関心を寄せる読者の食指を誘うことだろう。わが国でも『障害学への招待』『障害学の主張』(いずれも明石書店刊)などによって障害学への関心が喚起されているが、「障害学とはどんな学問か」という素朴な問いに対して答えられるほどには、わが国の障害学はまだ熟成していない。どちらかと言えば、障害についての幅広い関心の共有を軸として展開するアメリカのディスアビリティ・スタディーズに比して、イギリスのディスアビリティ・スタディーズはその理論体系や学問体系の整備に努力を傾けてきたといえる。したがって現時点では、障害学の「学」としての理論と方法および研究対象分野を体系的に知り得るのは、まずイギリスからである。この点が「英国流ディスアビリティ・スタディーズ」に読者を招待する理由の一つである。
 イギリスにおけるディスアビリティ・スタディーズの理論については、マイケル・オリバーの「障害の社会モデル」が核となっているが、本書ではオリバー理論の紹介だけではなく、さまざまな関連する理論や視角との対比のなかで「社会モデル」を位置づけており、「社会モデル」をより深く理解したい読者の一助となろう(第2・4章では、社会学における社会運動論や政治研究およびカルチュラル・スタディーズの手法が、障害当事者をめぐる政治やメディアの分析にいかに応用されるかが示され、一般の社会運動論やカルチュラル・スタディーズに関心をもつ人たちにも新鮮な視点を与えるだろう。(「訳者まえがき」より抜粋)

目次

第1章 イントロダクション
第2章 ディスアビリティの理解
第3章 慢性病と障害への社会学的アプローチ
第4章 ディスアビリティ理論への招待
第5章 ディスエイブリングな障壁
第6章 社会政策と障害者
第7章 政治と「ディスアビリティの政治」
第8章 文化、余暇、メディア
第9章 ディスアビリティ社会学の展望

著者等紹介

バーンズ,コリン[バーンズ,コリン][Barnes,Colin]
リーズ大学社会学・社会政策学部ディスアビリティ・スタディーズ・センター教授及びセンター長

マーサー,ジェフ[マーサー,ジェフ][Mercer,Geof]
リーズ大学社会学・社会政策学部ディスアビリティ・スタディーズ・センター上級講師

シェイクスピア,トム[シェイクスピア,トム][Shakespeare,Tom]
政策・倫理・生命科学研究所アウトリーチ・ディレクター

杉野昭博[スギノアキヒロ]
1956年、東京都生まれ。ロンドン大学(LSE)大学院社会政策研究科博士課程修了。Ph.D。現在、関西大学社会学部教授

松波めぐみ[マツナミメグミ]
1967年、兵庫県生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程(多文化教育学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。