内容説明
浅草門前町の両替商・分銅屋仁左衛門に用心棒として雇われた浪人・諌山左馬介は、剣の腕はさほど立たぬも、鉄扇の扱いには長けていた。変わらぬ真面目さと謙虚さで雑用も厭わずよく働く左馬介を、ある日つけ狙う者が現れる。刺客を差し向けたのは、分銅屋を蹴落とそうとする札差の加賀屋。両者の背後には、幕政の中心を米から金に代えて幕府の再建を志す田沼意次と、いまの体制が崩れれば自分たちの破滅と血眼になる武家の策謀が交錯していた。金への改革をめぐり、様々な思惑が衝突する、大好評シリーズ第三弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
90
日雇い浪人生活録3作目 2017.05発行。字の大きさは…小。 浪人・諫山左馬介を通して江戸時代後期の「金(かね)」について書いた物語です。 御側御用取次・田沼意次の米から金への政策転換を嗅ぎ付けた札差・加賀屋と公儀目付が、それぞれ両替商・分銅屋仁左衛門に刺客を差し向けるが、分銅屋の用心棒・諫山が倒したことで……。 刺客を迎え撃つ諫山は、1対1の防御に徹した甲州流の鉄扇術が見事に決まります。 物語の回転が速く、読んでいて飽きません。2020/11/14
とし
76
日雇い浪人生活録「金の策謀」3巻。命を狙われ返り討ちしたのに、何時までも引きずり用心棒らしかぬ用心棒諫山左馬介さん、雇い主の分銅屋仁左衛門に支えられ少しずつ成長しているようですね。 2020/10/02
baba
34
剣が使えない用心棒と度胸と機転が利く両替商とのコンビが面白いシリーズ。田沼意次が米から金への経済を目指す善人に描かれてこれからが楽しみ。ただ解説が多く中々進まない。訪問して待たされていない事の証明に、玄関先で足踏みをするなど笑ってしまう。人として小さっ!プライドとしてこれで良しとしていた事にも・・・。2017/08/31
蕭白
12
人を殺めたことに意気消沈する主人公の、当時の武士の価値観とは違うところに生きている姿が、個人的には好ましく思えます。2020/09/10
アボガドみよ
12
田沼意次の人物像が、今まで自分が抱いていたものとは違うので、まだ馴染めてません( ̄▽ ̄;)しかし、それがもっとも楽しみです。2020/06/03
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