叢書 現代の経済・社会とジェンダー〈第4巻〉福祉国家とジェンダー

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  • サイズ A5判/ページ数 256p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784750318509
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C0336

内容説明

日本福祉国家のあり方を比較の観点から精査することが、本書の狙いであり、さらに90年代なかば以降の動向を踏まえて今後の進路が展望される。

目次

第1部 福祉国家の基礎構造とジェンダー(福祉国家とジェンダー;財政と年金制度―ジェンダーへの財政社会学的アプローチ;家族家計・家計内個々人への収支配分・社会保障;福祉国家と労働政策―ジェンダーの視点から)
第2部 所得移転、社会サービスとジェンダー(高齢者介護政策における家族介護の「費用化」と「代替性」;児童手当制度におけるジェンダー問題;女性の所得保障と公的扶助;ジェンダー・エクィティ実現のための教育戦略)

著者等紹介

大沢真理[オオサワマリ]
東京大学社会科学研究所教授

神野直彦[ジンノナオヒコ]
東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授

室住真麻子[ムロズミマサコ]
帝塚山学院大学人間文化学部教授

田端博邦[タバタヒロクニ]
東京大学社会科学研究所教授

森川美絵[モリカワミエ]
東京都立大学人文学部助手
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

出版社内容情報

先進諸国との比較を踏まえ、日本型福祉国家の本格的ジェンダー分析を目指す。日本型福祉国家の特徴(意義と限界)を、その政策が暗黙のうちに前提し依拠する世帯や職場のジェンダー関係の分析を軸として解明する。

第1部 福祉国家の基礎構造とジェンダー

第1章 福祉国家とジェンダー[大沢真理]
1.空前の「福祉国家ブーム」?
2.福祉国家研究の流れ
3.日本の福祉国家とジェンダー視点
4.「男性稼ぎ主」型から脱却するのか
5.「型」の転換の意味

第2章 財政と年金制度[神野直彦・大沢真理]
――ジェンダーへの財政社会学的アプローチ――
1.はじめに
2.市場社会のジェンダー格差と3つの政府体系
3.年金改革とジェンダー
4.結びに代えて

第3章 家族家計・家計内個々人への収支配分・社会保障[室住眞麻子]
1.本章の課題と問題意識
2.家計内ジェンダー関係
3.家計所得水準と貧困率
4.家計所得構成の諸相
5.おわりに

第4章 福祉国家と労働政策[田端博邦]
――ジェンダーの視点から――
1.はじめに
2.「ケインズ主義的福祉国家」とジェンダー
3.福祉国家の変容とジェンダー
4.福祉国家の型と労働政策
5.結びに代えて

第2部 所得移転,社会サービスとジェンダー

第5章 高齢者介護政策における家族介護の「費用化」と「代替性」[森川美絵]
1校におけるジェンダー再生産の転換を
5.労働と教育をリンクする
6.まとめに代えて――自立と自律の教育を

 本書の第1章でふれるように,空前のブームともいえる状況にある福祉国家研究で,ジェンダーは分析の基軸の1つとされている。これは,本叢書の企画が始まった時点では,期待はしても予期はできなかった研究状況である。
 すなわち,経済のグローバル化のもとで,福祉国家の「衰退」が避けられないとされるいっぽうで,その研究は,レジーム論を中心として空前といっていい活況を呈している。そのなかで,福祉国家とは,先進国内の労使関係,先進国・途上国の関係,そしてジェンダー関係という20世紀後半の3つの政治経済的力関係の結節点であり,それらの力関係の推移が福祉国家の今後の帰趨をも左右する,と指摘されている。より端的に,ジェンダー関係の変化こそが福祉国家を呼び出したという趣旨の定義もおこなわれている。
 とくに,先進国と途上国それぞれにおけるジェンダー関係は,先進国福祉国家の前提だった。先進国では,妻子を扶養する男性フルタイム労働者(「男性稼ぎ主male-breadwinner」)が雇用保障と社会保障の対象であり,女性が無償で家族の育児や介護をおこなうことが,社会サービスの制度設計にあたって前提されていたのである。なおかつ,先進国の経済成長を支えたむと,日本がギリシャやスペインに近いことが鮮やかに示された。そこで,ジェンダー分析に呼応してエスピン・アンデルセンも,90年代後半以降,国家と市場にたいする家族の関係を分類指標に組みこみ,福祉国家類型論から福祉レジーム類型論へと研究を進化させることになった。具体的には,福祉国家からの給付または市場からの供給によって,家族の福祉やケアにかんする責任が緩和される度合を,「脱家族化」という指標として導入したのである。
 では,「脱家族化」の系譜はどのようなものか。欧米諸国が福祉国家建設を進めた第二次世界大戦後には,「男性稼ぎ主」の規範は,いずれの国でも強く,実際にも女性の男性にたいする経済的依存度は大きかった。とはいえ,各国の福祉国家の制度設計は一様だったのではない。スウェーデンの制度では当初から「男性稼ぎ主」規範の刻印が薄く,早くも1970年代には「男性稼ぎ主」型から離脱した。他方でオランダは,1970年代には「男性稼ぎ主」型の代表ともいえる状況だったが,経済・財政危機に対応する雇用・福祉改革をつうじて,80年代以降,男女ともパート労働で夫婦合わせて1.5人分稼ぐという「オランダ・モデル」を生みだし,危機を克服護政策における家族介護の「費用化」と「代替性」」が,従来は無償とされてきた家族介護が金銭的費用として認知され対価を受けるという意味での「費用化」と,介護義務からの家族の解放を確保する「代替性」を分析の軸とする。「第6章 児童手当制度におけるジェンダー問題」では,日本の児童手当制度の特異な制度設計と展開を,諸外国と比較し,また政労使および女性運動等の影響に関連づけて検討する。「第7章 女性の所得保障と公的扶助」は,公的扶助の受給者の推移と動向とともに,公的扶助が包摂しない貧困層の量についても把握を試み,とくに母子世帯を例に「補足性の原理」の作用を分析する。「第8章 ジェンダー・エクィティ実現のための教育戦略」では,労働の内実と意識が変化しつつあるなかで,その労働と生活にかかわる問題に焦点をあて,学校教育の範囲にとどまらず,今日的課題としての教育戦略を論じる。
 本書の出版が編者の責任によって遅延を重ねたために,執筆者の方々,監修者ならびに明石書店の編集部に多大のご迷惑をおかけしたことを,お詫びする。この間に望外に豊かになった先行研究の蓄積は,執筆者の粘り強い改稿をつうじて本書に反映されることになった。