出版社内容情報
近代イギリス資本主義の展開と奴隷制の関係を分析し、歴史学、社会学などの近現代社会研究に決定的な影響を与え続けている現代の古典、待望の新訳。
解説(コリン・パーマー)
第1章――黒人奴隷制の起源
第2章――黒人奴隷貿易の発展
第3章――イギリスの商業と三角貿易
第4章――西インド諸島勢力
第5章――イギリス産業と三角貿易
第6章――アメリカ独立革命
第7章――イギリス資本主義の発展 一七八三~一八三三年
第8章――新しい産業体制
第9章――イギリス資本主義と西インド諸島
第10章――実業界と奴隷制
第11章――〈聖人〉と奴隷制
第12章――奴隷と奴隷制
第13章――結論
監訳者あとがき/原注/参考文献
索引(事項/地名/人名)
本研究は、イギリスを例とする初期の資本主義と黒人奴隷貿易、奴隷制および一七、一八世紀の植民地貿易一般との関係を探るものである。時代は常に歴史を書き換えるが、とりわけ私たちの生きる現代こそ、これまでの歴史的、経済的、政治的発展に関する概念を再評価すべき時代なのである。産業革命の進展については、数多くの書物で質量ともにほぼ適格に扱われており、その教訓は知識階級一般、とくに見識を創造したり指導したりする責務を担う人々の意識の中に十分に浸透している。ところが、産業革命以前については資料が収集され、本が次々と出版されている反面、世界的規模での、あるいはその時代の商業の相互関連性が産業革命に対して直接どう作用したのか、そして今でも現代社会にどう作用し続けているのかについては、十分に位置づけられてはいないし、また明確に説明されてもいない。まさにその位置づけこそが本研究の目的であり、周知の社会的、政治的潮流、さらには学術的潮流さえも生み出した経済的起源がいったいどこにあるのかを示唆しようとするものである。しかし、本書は思想や解釈をまとめたエッセイではない。イングランドにおける産業革命のための資金供給に果たした黒人奴隷制および
内容説明
本研究は、イギリスを例とする初期の資本主義と黒人奴隷貿易、奴隷制および一七、一八世紀の植民地貿易一般との関係を探るものである。
目次
黒人奴隷制の起源
黒人奴隷貿易の発展
イギリスの商業と三角貿易
西インド諸島勢力
イギリス産業と三角貿易
アメリカ独立革命
イギリス資本主義の発展 一七八三~一八三三年
新しい産業体制
イギリス資本主義と西インド諸島
実業界と奴隷制
“聖人”と奴隷制
奴隷と奴隷制
著者等紹介
ウィリアムズ,エリック[ウィリアムズ,エリック][Williams,Eric Eustace]
1911年、トリニダード生まれ。クィーン・ロイヤル・カレッジ卒業後、政府の奨学金を得てイギリスのオックスフォード大学に入学。歴史学科に在籍し、1938年に博士号を取得。1962年、トリニダードがイギリスから独立すると同時に初代首相に就任、1981年に没するまでずっと国家元首を務めた。独立等、国家への多大な貢献から、「トリニダードの父」と呼ばれる。代表著書『資本主義と奴隷制』(1944)はオックスフォードで博士論文『西インド諸島の奴隷貿易および奴隷制における経済的側面』を加筆修正したもので、奴隷制を経済的観点から説明する「ウィリアムズ・テーゼ」は議論を巻き起こした
山本伸[ヤマモトシン]
1962年、和歌山県生まれ。立命館大学卒業、コロンビア大学大学院留学、静岡大学大学院修了。専門はカリブ文学。現在、四日市大学環境情報学部メディアコミュニケーション学科助教授、グローバルネットワーク21(NPO)常任理事、ポップカルチャー学会副会長、黒人研究の会事務局長
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感想・レビュー
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