アスペルガー症候群がわかる本―理解と対応のためのガイドブック

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アスペルガー症候群がわかる本―理解と対応のためのガイドブック

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  • サイズ A5判/ページ数 176p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784750318356
  • NDC分類 378.6
  • Cコード C0036

目次

定義
発生率
小児期の症状
思春期の症状
併発する精神障害・社会的障害
その他の問題
アスペルガー症候群の人の優れた能力
背景因子
認知神経心理学的研究
診断と検査
長期予後―成人期のアスペルガー症候群
かかわり方・介入・治療
誰に相談するか?
アスペルガー症候群だったかもしれない著名な天才たち
症例紹介

著者等紹介

ギルバーグ,クリストファー[ギルバーグ,クリストファー][Gillberg,Christopher]
1950年スウェーデンのイェーテボリ生まれ。イェーテボリ大学にて医学博士号取得(1973)、“Neuropsychiatric Aspects of Perceptual,Motor and Attentional Deficits in Seven‐year‐old Swedish Children”(1981)のテーマでウプサラ大学にて博士号(Ph.D.)を取得。現在、イェーテボリ大学児童青年精神医学科教授、セントジョージ病院医学校(ロンドン)教授やクイーンシルビア児童病院(イェーテボリ)児童精神神経科医長、European Child and Adolescent Psychiatry編集長、Journal of Child Psychology and Psychiatry、Journal of Autism and Developmental DisordersおよびDevelopmental Medicine and Child Neurologyの編集委員

田中康雄[タナカヤスオ]
1958年生まれ。児童精神科医。独協医科大学医学部卒業。現在、国立精神・神経センター精神保健研究所児童・思春期精神保健部児童期精神保健研究室長、日本児童青年精神医学会評議員、児童虐待の防止等に関する専門委員会(厚生労働省雇用均等・児童家庭局)委員、児童虐待防止対策治療・支援研究会委員(日本児童福祉協会)、小・中学校におけるLD、ADHD等の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドライン策定メンバー(文部科学省)等

森田由美[モリタユミ]
1970年京都生まれ。翻訳者。京都大学法学部卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

出版社内容情報

アスペルガー症候群とは何か。定義や特徴のほか、自閉症やAD/HDなど関連する障害との違いや関係性、治療の可能性や具体的症例など、近年急速に注目を集めつつあるアスペルガー症候群に関して、同分野における第一人者が詳説。

日本語版への序文
序文

第1章 はじめに
第2章 定義
第3章 発生率
第4章 小児期の症状
第5章 思春期の症状
第6章 併発する精神障害・社会的障害
第7章 その他の問題
第8章 アスペルガー症候群の人の優れた能力
第9章 背景因子
第10章 認知神経心理学的研究
第11章 診断と検査
第12章 長期的予後――成人期のアスペルガー症候群
第13章 関わり方・介入・治療
第14章 誰に相談するか?
第15章 アスペルガー症候群だったかもしれない著名な天才たち
第16章 症例紹介

資料1 ASDI(アスペルガー症候群診断面接法)
資料2 ASSQ(高機能自閉症スペクトラム障害のスクリーニング質問票)
資料3 ASDASQ(成人自閉症スペクトラム障害のスクリーニング質問票)

解説◎田中康雄
参考文献
索引

 非常に幼い頃から、他人との社会的なかかわり合いに問題を示す子どもたちが存在する。彼らの一部には、「自閉性障害」という症状が見られる(「小児自閉症」と呼ばれることもあるが、自閉症は小児期に限られる症状ではないため、この名称は誤りである)。これは通常、重度の慢性的障害で、生涯にわたって適応に問題が生じ、大人になってからも自立した生活を送ることが困難である。また、早期に社会的相互作用の問題を示す子どもたちのかなり多くが、「自閉的特徴」を有する。これは本格的な自閉症に至るものではないが、社会的適応や、時には学業面に大きな問題を引き起こす。この集団は、一部の専門家(医師、臨床心理士、障害児教育専門家)から「自閉症スペクトラム障害」と名づけられていた。現在では、こうした子どもたちの多くが、アスペルガー症候群と診断される。
 1944年、オーストリアの小児科医ハンス・アスペルガーが、今では彼の名がつけられているこの症候群を初めて記述した時、彼は、「早期幼児自閉症」に関する精神科医レオ・カナーの著作を知らなかった。後にカナーの症候群について知ったアスペルガーは、これを、自分が記述した「自閉的精神病質」といくらか症状は似ているにとめておく必要がある。これは、女児の場合、行動面の症状が少しあるいはいくらか異なるため、もしくは、女児は一般に男児とくらべ、大きな問題の有無にかかわらず、学校で注意を引きにくいためと考えられる。
 アスペルガー症候群の子どもや大人は(生後最初の数年を除き)、優れた表出言語能力(書く能力を含む)を持つことが多い。これに対し、実際的なコミュニケーションにはしばしば極端な問題を示す。アスペルガー症候群の中核にあるのは、このような、本当の意味で他人と相互作用を持つことができないという問題だ。就学前に、同年齢の友達、兄弟姉妹、教師、親の立場に立ってものを考えることができないという機能障害が見られるのも、これに関連するのかもしれない。だが学齢期になって、基本的な心理化能力/共感性能力が現れてからも、日常的な社会的相互作用やコミュニケーションの相互作用は、依然としてぎこちなく、緩慢で形式ばっていて、直観性に欠ける。日常的な決まりに固執し、狭い興味を没入的に追及するせいで、社会的相互作用の発達がさらに妨げられている可能性もある。感覚知覚に異常がある場合もあり、「実際的な」ものごとに対処するのが極端に難しい。思春期前後に他国後に翻訳されている。今回、日本語版が出版され、この本が異なる文化のもとで暮らす家族や専門家の手にわたることを、非常に嬉しく思っている。アスペルガー症候群はあらゆる国で見られる障害だ。文化に関係なく、世界中で同じ特徴が表れている。私は、スウェーデン、イギリス、アメリカ、フランス、ブラジル、イスラエル、ヨルダン、南アフリカ、ニュージーランド、日本、それに大西洋の孤島でも、アスペルガー症候群を目にしてきた。アスペルガー症候群は国境のない神経発達障害であり、決してきわめてまれなものではない。すべての人が、この障害について知る必要があるのだ。

日本語版への序文 著者