出版社内容情報
多くの文化遺産が保全され、観光への活用で地域振興が実現されている英国コッツウォルズ地域。その「古きイングランド」創出の要因を、共通のアイデンティティであるイングリッシュネスへの希求と形成の分析を通し文化人類学的に明示する。
はじめに
序 章 イングランドのエスニシティ
一 イングリッシュネス――英国とイングランドの現代的状況
二 「エスニシティ」概念とイングリッシュネス
三 イングリッシュネスに関する研究
四 イングリッシュネスの形成に関する理論的アプローチ
五 調査の方法と本書の構成
第一章 コッツウォルズ地域
一 イングランドのカントリーサイド
二 コッツウォルズ地域
三 チッピング・カムデン
第二章 チッピング・カムデンの観光イメージ
一 一九世紀末における町のイメージ形成
二 行政がつくる二〇世紀の「まなざし」
三 チッピング・カムデンの商品化
四 観光推進に対する住民の認識
五 まとめ
第三章 モリス・ダンスの継承と伝統集団
一 モリス・ダンスの復興とC・シャープ
二 モリス・ダンスによる演出
三 モリス・ダンスに対する住民の認識
四 まとめ
第四章 文化景観の維持と住民間の対立
一 景観保全地域における暮らし
二 カムデン協会による景観保全
三 文化景観に対する住民の認識
四 まとめ
第五章 伝統行
なだらかな大地に麦畑が広がり、緑の丘には羊や牛が草をはむ。そのまわりに生け垣がはりめぐらされ、所々に見える小さな林の近くに、石造りの家々や教会からなる村や町が見え隠れする。
英国のカントリーサイドは、まさに絵に描いたように牧歌的で美しい。しかも、ロンドンなどの主要都市から列車で一時間あまりで行くことができるため、多くの人々が訪れる観光地でもある。しかし、英国のカントリーサイドはただ美しいだけではない。実際には、その美しさゆえに、そこで暮らす人々は、さまざまな葛藤や問題を抱えながら生活している。そうした葛藤の焦点の一つこそが文化遺産をめぐる諸問題であり、またカントリーサイド、ひいては英国のアイデンティティ形成の問題である。
本書は、英国カントリーサイドにおける文化遺産の保全と活用によるアイデンティティ形成について、民族誌的記述を通してミクロ・レベルで明らかにするものである。
(後略)
はじめに 著者
内容説明
本書は、英国カントリーサイドにおける文化遺産の保全と活用によるアイデンティティ形成について、民族誌的記述を通してミクロ・レベルで明らかにするものである。
目次
序章 イングランドのエスニシティ
第1章 コッツウォルズ地域
第2章 チッピング・カムデンの観光イメージ
第3章 モリス・ダンスの継承と伝統集団
第4章 文化景観の維持と住民間の対立
第5章 伝統行事の開催と住民間の協調
終章 境界意識の揺れとイングリッシュネスの形成
著者等紹介
塩路有子[シオジユウコ]
1970年生まれ、聖心女子大学外国語外国文学科卒業、英国サリー大学大学院社会科学研究科修了(M.A.)、総合研究大学院大学文化科学研究科修了、博士(文学)。日本学術振興会特別研究員、国立民族学博物館外来研究員を経て、現在、阪南大学国際コミュニケーション学部専任講師(文化人類学、ヨーロッパ地域研究専攻)
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