母体保護法とわたしたち―中絶・多胎減数・不妊手術をめぐる制度と社会

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  • サイズ B6判/ページ数 271p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750316178
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C0036

出版社内容情報

生殖医療の発達、ピル解禁とつづくなかで、「母体保護法」は人々にどんな影響を与えているのだろうか。産む/産まないを自己決定したい人、医療現場で働く人、法律家、中絶経験者、障害者等、さまざまな立場の人と問題を共有するための入門書。

はじめに
序 章 母体保護法・人工妊娠中絶の現代的意味(齋藤有紀子)
第1章 母体保護法の歴史的背景(松原洋子)
第2章 国民優生法・優生保護法と精神科医(岡田靖雄)
第3章 強制不妊手術の過去と現在(市野川容孝)
第4章 刑法と母体保護法(甲斐克則)
第5章 精神障害者と「優生」(加藤真規子)
第6章 産婦人科医にとっての母体保護法(佐藤孝道)
第7章 人工妊娠中絶をした女性のケア(大久保美保)
第8章 妊娠中に胎児に「予想外の出来事」があった女性たちの体験(中込さと子)
第9章 ドイツの胎児条項廃止とドイツ人類遺伝学会声明(玉井真理子)
第10章 多胎妊娠と減胎手術(根津八紘)
第11章 新生児医からみた多胎妊娠と減数手術(加部一彦)
第12章 双子の妊娠と育児(堀田久美)
第13章 人工妊娠中絶と女性の自己決定権(三輪和惠)
第14章 女性と障害者(米津知子)
第15章 確かに言えることと確かには言えないこと(立岩真也)


内容説明

母体保護法と、それに伴うさまざまな矛盾。それは、ヒト生命を人為的に終了させる人工妊娠中絶に正当な理由をつけ、それを制度的に保障しなければならないことからくる矛盾でもある。本書は、いわゆる法律・法規範が、保護し、実現をはかろうとしている「生命・人権の尊重」と、母体保護法を取り巻く「現実」について、そのギャップ・一致を含め、さまざまな視点・立場から問題を照らしだし、多くのひとが、自分たちの問題として、この法律と向き合う契機を提供することを目指している。

目次

母体保護法・人工妊娠中絶の現代的意味―問題を共有していくために
母体保護法の歴史的背景
国民優生法・優生保護法と精神科医
強制不妊手術の過去と現在―ドイツ・スウェーデン・日本
刑法と母体保護法―日本法の解釈をめぐって
精神障害者と「優生」
産婦人科医にとっての母体保護法
人工妊娠中絶をした女性のケア―看護・助産職の調査から
妊娠中に胎児に「予想外の出来事」があった女性たちの体験
ドイツの胎児条項廃止とドイツ人類遺伝学会声明〔ほか〕

著者等紹介

斎藤有紀子[サイトウユキコ]
1963年生まれ。北里大学医学部医学原論研究部門専任講師。法哲学、生命倫理学

市野川容孝[イチノカワヤスタカ]
1964年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科助教授

大久保美保[オオクボミホ]
1967年生まれ。元大学病院助産師、現在看護教育者として数校の看護系教育機関の非常勤講師

岡田靖雄[オカダヤスオ]
1931年生まれ。精神科医・精神科医療史研究

甲斐克則[カイカツノリ]
1954年生まれ。広島大学法学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。