出版社内容情報
1997年韓国、98年台湾、そして2001年には日本でもDV法が制定され、夫や恋人とからの暴力が女性の人権に関わる重大な問題としてようやく社会に認識されるようになった。前記3国にカンボジアを加えたアジア4カ国の暴力の実態と根絶への取組みを報告。
はじめに
プロローグ アジアの家父長制とドメスティック・バイオレンス
第1章 台湾――背景・DV法の概要と実態
1 DV法制定の背景と夫殺しの事件
2 「家庭暴力防止法」の概要
3 家庭暴力防止法制定後のDVの実態
4 今後の課題
第2章 韓国――背景・実態・運動
1 はじめに
2 歴史的背景――家族のイデオロギー
3 韓国におけるDVの実態
4 DVに反対する世界規模での闘いへの韓国女性運動の成功の意義
5 政策展開への提言
第3章 カンボジア――戦争文化とDV
1 はじめに
2 調査の原動力
3 調査結果
4 結論
第4章 日本――北九州調査を中心に
1 北九州市における調査から
2 被害者からの聞き取り
3 相談室から見えるDV
エピローグ 謝辞にかえて
内容説明
(財)アジア女性交流・研究フォーラムでは、一九九八年に、マレーシアから法律家をお呼びして、一九九四年にすでにDV法を制定していた背景、法律の内容等を市民とともに学習する機会をもったが、学ぶことは非常に多かった。欧米の夫婦中心の家族とは異なる、親子関係中心のアジアの家族においても、夫からの暴力が社会問題として無視できないほど存在しているという事実を知り、これを廃絶するために女性たちが立ち上がり立法などの仕組みを作ることができたということに、強烈なショックを受けた。こうしたことを背景に、フォーラムでは一九九九年から二〇〇一年までの三年間、アジアにおけるドメスティック・バイオレンスについて、さまざまな資料を集めるとともに、共同研究によってアジアのDVの実態を研究することにした。本書はそのささやかな報告の一部である。
目次
プロローグ アジアの家父長制とドメスティック・バイオレンス
第1章 台湾―背景・DV法の概要と実態(DV法制定の背景と夫殺しの事件;「家庭暴力防止法」の概要;家庭内暴力防止法制定後のDVの実態;今後の課題)
第2章 韓国―背景・実態・運動(歴史的背景―家族のイデオロギー;韓国におけるDVの実態;DVに反対する世界規模での闘いへの韓国女性運動の成功の意義;政策展開への提言)
第3章 カンボジア―戦争文化とDV(調査の原動力;調査結果)
第4章 日本―北九州調査を中心に(北九州市における調査から;被害者からの聞き取り;相談室から見えるDV)
著者等紹介
篠崎正美[シノザキマサミ]
熊本学園大学社会福祉学部教授。(財)アジア女性交流・研究フォーラム主席研究員(非常勤)
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