出版社内容情報
国際文化学とは何なのか。私たちの現代世界認識、社会認識に重要な役割を果たす、この分野の研究の可能性、方向性を探る。さまざまな学問分野の第一人者の講演による国際文化学への招待。
はじめに
1章 国際文化学の創造へ
――アメリカの日本研究者として考えること[ノーマ・フィールド]
1 文化とは何か
2 カルチュラル・スタディーズがめざしたもの
3 階級概念を落としたアメリカ版カルチュラル・スタディーズ
4 「政治」から「文化」へ
5 「文化」は変わるもの
6 冷戦体制と地域研究
7 偏った日本のイメージ作りに貢献した日本文学研究者たち
8 エリア・スタディーズからグローバル・スタディーズへの転換
9 何のための国際文化学か?
2章 グローバリゼーション研究の課題と展望
――人口移動・世界都市・新世界システム・グローバルカルチャー[伊豫谷登士翁]
1 「グローバリゼーション」
2 グローバリゼーションの経済的過程
3 グローバリゼーションへの対抗の場を求めて
3章 開発と文化
――技術文化の多様性をめぐって[川田順造]
1 人間と自然
2 開発と人間中心主義
3 文化の三角測量
4 技術文化
5 おわりに
4章 日本における定住外国人とマルチカルチュラリズム/多言語社会[鄭暎惠]
1 はじめに文学・国史学・国語学
2 国語の通時的・共時的構築
3 植民地朝鮮の言語問題と国語学
4 敗戦後に引き継がれたもの
5 朝鮮語学における植民地支配の影響
7章 丸山眞男と国際文化研究[間宮陽介]
1 丸山眞男とその時代
2 「超国家主義の論理と心理」
3 戦後デモクラシー
4 国際化とグローバル化
8章 異文化受容と民族アイデンティティ[小坂井敏晶]
1 日本の西洋化の不思議
2 支配/被支配という構図では説明できない日本の西洋化
3 「閉ざされた社会」が持つ「開かれた文化」の謎
4 閉鎖と開放の相補性
5 文化の同一性はどのように考えるべきなのか
付章 座談会●国際文化学をどう創造するか[片山弘基・安野早己・三宅義子]
1 国際文化学の可能性をさぐって
2 「国際文化学部」という名称の由来
3 日本社会の国際化・大学の変容・学部再編成
4 カルチュラル・スタディーズから学ぶもの
5 地域から世界へ、世界から地域へ
内容説明
本書は、山口県立大学国際文化学部が一九九七年より二〇〇〇年にかけてさまざまな分野の講師を招いて行った連続講演会の記録を一冊にまとめたものである。
目次
1章 国際文化学の創造へ―アメリカの日本研究者として考えること
2章 グローバリゼーション研究の課題と展望―人口移動・世界都市・新世界システム・グローバルカルチャー
3章 開発と文化―技術文化の多様性をめぐって
4章 日本における定住外国人とマルチカルチュラリズム/多言語社会
5章 新しい普遍性を求めて―在日朝鮮人とユダヤ人の経験が示唆するもの
6章 植民地と学問―朝鮮支配と「国語学」・「朝鮮語学」
7章 丸山眞男と国際文化研究
8章 異文化受容と民族アイデンティティ
付章 座談会・国際文化学をどう創造するか
著者等紹介
三宅義子[ミヤケヨシコ]
山口県立大学国際文化学部教授
片山弘基[カタヤマヒロモト]
山口県立大学国際文化学部教授
安野早己[ヤスノハヤミ]
山口県立大学国際文化学部教授
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