出版社内容情報
アボリジニ学の意義とは,文化的,階級的偏見を含んだ西洋中心主義の学問体系に警鐘を鳴らすことである。それはオーストラリアが目指す多民族の共生の実現にもつながる。アボリジニを真に理解するための格好の入門書。
第一章 ヨーロッパ人の描いたアボリジニ像
「幻の大陸」に住む「野蛮人」
イギリス人が描いたイメージ―海賊ウイリアム・ダンピアーの日記
ヨーロッパ人の文明観
クックの航海/ほか
第二章 誰が「アボリジニ文化」を語るのか
アボリジニ文化をめぐる問題
「ドリーミング」(神話)の世界
祖先の精霊と創造の時代
精霊ングルンデリの天地創造神話
神話の意味するもの―「全体として生きる」こと/ほか
第三章 国家アイデンティティとアボリジニ
誰がオーストラリア人としてふさわしいのか
「人種」とナショナリズム
建国前夜の植民地オーストラリア―有色人種の是非をめぐって
中国人排斥/ほか
第四章 アボリジニをめぐる問題
アボリジニをめぐる問題
マボ事件の始まり
先住権が慣習法を生きぬいた意味
否定された「無主の土地」
先住権とオーストラリアの主権/ほか
内容説明
本書はアボリジニに焦点をあててオーストラリアの一つの歴史を描いたものである。同時に、アボリジニ学の紹介でもある。オーストラリアの大学と大学院にアボリジニ学部というものがあることは、あまり一般には知られていない。本書はアボリジニ学とはいったい何なのか、何をどのように学ぶところなのかという疑問にも答えるものである。
目次
第1章 ヨーロッパ人の描いたアボリジニ像(「幻の大陸」に住む「野蛮人」;イギリス人が描いたイメージ―海賊ウイリアム・ダンピアーの日記 ほか)
第2章 誰が「アボリジニ文化」を語るのか(アボリジニ文化をめぐる問題;「ドリーミング」(神話)の世界 ほか)
第3章 国家アイデンティティとアボリジニ(誰がオーストラリア人としてふさわしいのか;「人種」とナショナリズム ほか)
第4章 アボリジニをめぐる問題(アボリジニをめぐる問題;マボ事件の始まり ほか)
著者等紹介
青山晴美[アオヤマハルミ]
米国オレゴン大学言語学部卒業。南オーストラリア大学大学院アボリジニ学部修士課程修了。愛知学泉短期大学国際教養科助教授、同大学コミュニティ政策学部非常勤講師。著書に「女は冒険―中国・チベット・ヒマラヤを越えて」(1987年)
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