出版社内容情報
古来,罪人・反乱者たちに対して支配者側は,見せしめの意味も込めて残忍な刑罰を科してきた。様々な刑罰・刑罰道具が開発された。古今東西の刑罰を豊富な図版と共に解説し,その変遷・意味を解説する。
序 章 時代にみる刑罰具の特色
第一章 死刑の執行形態と諸刑具
火刑/熱湯刑/水刑/断首刑/絞首刑/磔刑/引裂き刑/車輪刑/凌遅処死/鋸引刑/刺刑/圧死刑/突落し刑/ほか
第二章 肉刑の執行形態と諸刑具
剃髪刑/足切り刑/手切り刑/指砕き刑/鼻そぎ刑/耳切り刑/舌抜き刑/目えぐり刑/宮刑/皮剥ぎ刑/ほか
第三章 鞭刑の執行形態と諸刑具
笞杖刑/革鞭/鎖の鞭/猫鞭/ガントレット
第四章 晒刑の執行形態と諸刑具
引廻し/捨札/晒台/晒用の枷/車輪晒/ほか
第五章 拷問の執行形態と諸器具
水責め/熱湯責め/火責め/笞杖責め/緊縛責め/吊るし責め/圧迫責め/うつつ責め/つぶし責め/ほか
第六章 拘束の執行形態と諸器具
捕縛/牢内縄/金属手鎖/皮手錠/両手足錠/手枷/足枷/首枷/口枷/棘付きベルト/棒鎖/鎮静衣/ほか
内容説明
読者の皆さんが刑具・拷問具・拘束具と併列した副題を眼にされると、なにか刑罰・行刑にかかわる残酷で殺伐とした用具と歴史の一断面を連想されよう。また、これまでの多くの類書から嗜虐的・興味本位に扱われているものとして連想される向きも少なからずあろうかと思われる。しかし刑具・拘束具といったものは、適法に用いられる場合、社会に危害を加えた犯罪者への民衆の怒りと正義感を満足させる戒めの具であり、反面、非合法の場合、とくに一揆・暴動・革命時の場面などでは権力の暴発・濫用の象徴的一面を具体的に示し、民衆の怨嗟が深く込められているものであることも確かである。本書は刑罰史・行刑史をライフワークとしてきた一研究者の立場から、この面の歴史的・学問的検証・批判の一資料として刑罰具を提示、刑種により区分、分野別に類別、さらに西洋・東洋・日本について、その変遷と執行形態を比較し考察を試みてみた。
目次
序章 時代にみる刑罰具の特色
第1章 死刑の執行形態と諸刑具
第2章 肉刑の執行形態と諸刑具
第3章 鞭刑の執行形態と諸刑具
第4章 晒刑の執行形態と諸刑具
第5章 拷問の執行形態と諸器具
第6章 拘束の執行形態と諸器具
著者等紹介
重松一義[シゲマツカズヨシ]
1931年、四国松山市生まれ。法務省矯正研修所教官(行刑史・少年保護史)、青山学院大学法学部・東洋大学法学部などを経て現在中央学院大学法学部教授(刑事政策・法制史)、東京家庭裁判所参与員・調停委員。専門書に『少年懲戒教育史』第一法規・『少年法演習』新有堂・『刑事政策講義』信山社・『死刑必要論』信山社・『日本法制史稿要』敬文堂・『日本刑罰史年表』雄山閣・『図鑑・日本の監獄史』雄山閣・『日本刑罰史蹟考』成文堂・『北海道行刑史』図譜出版・『法学概論』成文堂など、他に随筆風の『大江戸女ばなし』PHP研究所・『漫画考現学』近代文芸社・『鬼平・長谷川平蔵の生涯』新人物往来社・『江戸の犯罪白書』(PHP文庫)などがある
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