出版社内容情報
朝青龍、白鵬、旭鷲山など昨今の大相撲を席巻した観のあるモンゴル勢。彼らの生まれ故郷は、いったいどんな国なのか? 本書はそれに答えるべく、60章に分けてさまざまな角度から解き明かす、近くなったもう一つのアジアの隣人を知るためのガイドブック。
1 モンゴルはどんな国?(基礎知識編)
モンゴル人の土地「モンゴリア」――流動的だった国土/世界に分散するモンゴル民族(1)――モンゴル国と内蒙古/地理と気候――寒冷と乾燥 ほか
2 牧畜生活と思考・言語・宗教(生活・文化編)
長城とシナ「古来の領土」――異なる国境の理解
/北から見た万里の長城――漢族侵略のあかし/シナの賤はモンゴルの聖――自然観にもとづく平等性/草原の共生系――自然に見る輪廻の世界/ヒツジの死体と文化――死体ではなく見慣れた「お肉」/ウラル・アルタイ語族説――比較言語学の成立と展開/モンゴル語の世界――家畜語彙(1)/テンゲル崇拝――肉体に霊魂を与える生命の根源 ほか
3 起源から現代まで(通史編)
モンゴル人の先祖と先祖意義――アイデンティティは遊牧的牧畜とシャマニズム/モンゴル登場の前夜――流動的な国際環境の間隙をぬって/チンギスの世界制覇――世界はモンゴルを中心とする時代に/ホビライの世界連邦――陸と海の支配/蒙古襲来と日本文明――中国日本自治区に降らなかった日本/ハルハの清朝帰属――外蒙古の成立/日本人捕虜の抑留とその後――こんにちの友好の陰に ほか
内容説明
モンゴルは近年メディアを通じて一般の耳目を惹くようになった。しかし昭和50年代、モンゴル語の勉強を始めた著者に、友人たちは「モンゴルを学んでどうするのか」と質問した。それほど当時モンゴルは日本に知られておらず、日本人がモンゴルを学ぶ社会的・経済的な意味も稀薄だった。これはモンゴルでも同様で、同じころ日本語を学んだモンゴル人の友人も、「日本語を学んでどうする」と言われたという。加えて社会主義モンゴルでは、資本主義日本を評価することへの政治的禁忌もあったから、日本学の未来は必ずしも明るくなかった。本書は著者の受けた疑問に対する当面の解答でもある。本書を通じてモンゴル学が有意義なうえ興味深い学問であることが示せれば、本書執筆の目的の一端は達成されたといえよう。
目次
1 モンゴルとはどんな国?(モンゴル人の土地「モンゴリア」―流動的だった国土;世界に分散するモンゴル民族(モンゴル国と内蒙古;ブリヤートとカルムィク)ほか)
2 牧畜生活と思考・言語・宗教(長城とシナ「古来の領土」―異なる国境の理解;北から見た万里の長城―漢族侵略のあかし;シナの賎はモンゴルの聖―自然観にもとづく平等性 ほか)
3 起源から現代まで(モンゴル人の先祖と先祖意義―アイデンティティは遊牧的牧畜とシャマニズム;匈奴がつくった遊牧帝国の伝統―軍事性、社会システム、人種意識;草原国家の伝統―国名や君主を変えながら受け継ぐ匈奴の伝統 ほか)
感想・レビュー
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芦田均らしきサムシング
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