出版社内容情報
マオリの歴史,伝統,現在の人権状況など,様々な側面からアプローチし,その現状を解明するとともに,現在の国際人権条約体制の下で,マオリの生存権,物的・知的財産権をいかに擁護していくのか。
第1章 マオリの人権概史
第2章 マオリの人権状況
第3章 国際人権保障とマオリ
第4章 マオリの物的・知的財産権
第5章 マオリの宗教と法
内容説明
本書は、マオリがイギリス植民地としてのニュージーランド国家形成のなかで法的かつ社会的にいかなる立場におかれ、現在いかなる人権問題を抱えているのか、といった問題を様々な角度から検討したものである。先住民の価値観とヨーロッパ的価値観の相克と矛盾を見直し、ニュージーランドにおける民族間の合意形成について展望した。
目次
第1章 マオリの人権概史(マオリの起源;「アオテアロア」をめぐるマオリとパケハの戦い ほか)
第2章 マオリの人権状況(マオリの都市化;「差別」問題 ほか)
第3章 国際人権保障とマオリ(先住民の「人権」とは;先住民の権利と国際法 ほか)
第4章 マオリの物的・知的財産権(マオリの物的財産権;物的財産とワイタンギ条約 ほか)
第5章 マオリの宗教と法(初期の社会組織;マオリの宗教と法 ほか)
著者等紹介
マクリン,ジェラルド・ポール[McAlinn,Gerald Paul]
1951年生、テンプル州立大学卒業、ペンシルバニア大学ロースクール修了。青山学院大学法学部教授、法学博士(J.D.)
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感想・レビュー
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さとる
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ワイタンギ行き,もっと勉強したいなと思って手に取った本。論文調で難しかったなあ。☆アオテアロアの植民地化は次のように要約できる。☆マルクス的経済的理解:パケハとマオリの人口が逆転した頃,私的所有制度と資本主義的生産が展開し,資源からマオリを分離する法と強制力がイギリス型資本主義国家としてのNZを確たるものとした。☆ウェバー的社会的政治的理解:土地は豊富であったが労働力が十分でなく,地方で農本主義が展開し,イギリス型の法がその制度的支えとなった。宣教師の活動が,マオリの市民化と植民地化の始まりとなった。2018/05/02