西欧の眼に映ったアフリカ―黒人差別のイデオロギー

西欧の眼に映ったアフリカ―黒人差別のイデオロギー

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  • サイズ B6判/ページ数 264p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750311340
  • NDC分類 240
  • Cコード C0036

出版社内容情報

西欧社会はどのようにして“野蛮”を作り上げ“文明”を絶対的価値として導入したか。近代ヨーロッパのアフリカ観を分析する中から,優越意識の醸成と差別イデオロギーの形成の過程を詳細に追う。

第1章 前近代の人々が抱いたアフリカ像
第2章 ヨーロッパ近代人の多様な野蛮観
第3章 宣教師と探検家の役割
第4章 社会進化論者のアフリカ観
第5章 アフリカ社会への理解者
第6章 「野蛮」の創造と「文明」の発見
第7章 万国博覧会と「帝国意識」
第8章 日本人のアフリカ観―明治維新から第二次世界大戦期まで

内容説明

『ロビンソン・クルーソー』でデフォーが間接的に表現している黒人の外貌は、羊毛のような短い縮れ毛、真っ黒な肌、平べったい鼻、厚い唇であり、当時の平均的な白人から見れば、それはすべて醜さを代表するものである。もちろん、外貌のみによりアフリカ人=野蛮とみなしたわけではないが、それが当時の最もポピュラーなアフリカ人観であったといってもさしつかえなかろう。そして、100年たっても200年たっても、ヨーロッパ人のこうしたアフリカ人観が本質的に不変であったことは、著者と一緒にヨーロッパ近代人の「野蛮の発見」を検証する旅を続けることにより、おいおい明らかになる。それと同時に、「差別の論理」というか、差別を正当化する理由づけの変容にも注目されたい。

目次

第1章 前近代の人々が抱いたアフリカ像
第2章 ヨーロッパ近代人の多様な野蛮観
第3章 宣教師と探検家の役割
第4章 社会進化論者のアフリカ観
第5章 アフリカ社会への理解者
第6章 「野蛮」の創造と「文明」の発見
第7章 万国博覧会と「帝国意識」
第8章 日本人のアフリカ観―明治維新から第二次世界大戦期まで

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

印度 洋一郎

5
古代ギリシャから帝国主義時代まで、西欧のアフリカ人観の歴史を辿る。エジプトの彼方には犬頭人がいるという異世界扱いしていた紀元前の風説から、「黒い肌の醜い人々」となった近世、そして「下等人種だから保護して、文明化するのが文明人の責務」という理屈で植民地化している近代へと連綿と続く、アフリカ人への蔑視は終わらない。シェイクスピアの「オテロ」も、「黒人は文明化しても、感情が高ぶれば野蛮な本性を顕す」という裏メッセージがあった、という指摘も興味深い。シュバイツァーやキプリングの「下等人種観」も露骨でビックリした2016/04/06

ピオリーヌ

1
十年程前には読んだ記憶がある。主にサハラ以北~欧州地域の人々からのアフリカへの意識を紀元前から現代まで追っている。程度の差はあれど、彼らはアフリカを見下し続けていることには変わりがない。詳細が思い出せないため再読します。

Mentyu

0
欧米人の黒人への差別意識について古代ギリシアから20世紀初頭まで時系列的にまとめた本。啓蒙主義者がそれぞれに抱いたアフリカ観や、お得意の「未開人の文明化は白人の義務」という考えの裏でアフリカの指導者などを「野蛮」のイメージで塗りつぶしていった過程などがまとめられている。2013/03/10

Maumim

0
1999年6月11日読了。

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