出版社内容情報
近代日本は、韓国併合、さらに満州事変から日中戦争、太平洋戦争と、アジア全体を戦場と化し、無差別・大量の殺戮や抑留・虐待を行った。戦時下の内外で、民衆がおかれた実態を、豊富な資料や写真により明示し、「戦争は最大の差別」であることを解明する。
１ 天皇の即位と神格化
２ 天皇崇拝，すなわち「愛国」
３ 朝鮮の海へ殺到した日本漁船
４ 「満洲」の荒野へ，日王の島国へ
５ 鉄道・護岸の工事現場で
６ 衡平運動と水平運動との連帯
７ 反軍闘争に立ち上がった部落民衆
８ 部落を隠したと「詐欺・誘拐」の判決
９ 炭鉱に団結の旗が翻る
１０ 虚妄の「王道楽土」の国
１１ 「融和」教育に期待をしたが
１２ 戦時体制と全国水平社の終焉
１３ 南京陥落万歳と大虐殺
１４ 皇国「浄化」の為の棄民
１５ 植民地への日本企業の進出
１６ 植民地からの皮革
１７ 皮革は軍需品である
１８ 「日の丸」は阿片の商標
１９ 悪魔の人体実験と細菌戦
２０ 悪魔の吐息が戦場をおおう
２１ 破綻した日本の占領地支配
２２ 大陸からの反撃が湧き上がる
２３ 無謀な太平洋戦争への突入
２４ 「拓け満蒙，五百万人の移民団」
２５ 「大陸花嫁」と「大陸の子ども」
２６ 大東亜共栄圏の幻影
２７ 銃後の女性たち
２８ 植民地での「同化」「皇民化」の政策
２９ 軍国の扇動・教育の世相で
３０ 異国で死して山野の土と化す
３１ 地底の闇から
内容説明
私たちの日本が、侵略の加害者となり、敗戦で被害者にもなった、アジア・太平洋戦争の真実を見つめねばなりません。その誤りを明確にして、戦争から平和・友好を、差別から人権共生を見据え、戦後の平和・民主・人権の日本に必要な多岐の課題・展望を学び取ってほしいのです。本書は、そのために著しました。
目次
天皇の即位と神格化―現人神として崇め奉られた人
天皇崇拝、すなわち「愛国」―まずは教育から
朝鮮の海へ殺到した日本漁船―朝鮮の日本人漁民
「満州」の荒野へ、日王の島国へ―「満州」事変以前
鉄道・護岸の工事現場で―アリラン峠と被差別部落
衡平運動と水平運動との連帯―朝鮮と日本の被差別民衆
反軍闘争に立ち上がった部落民衆
部落を隠したと「詐欺・誘拐」の判決―高松差別裁判
炭鉱に団結の旗が翻る―三池・筑豊の炭鉱労働者
虚妄の「王道楽土」の国―ラスト・エンペラーの「満州国」〔ほか〕
