感想・レビュー
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きさらぎ
5
姜沆は慶長の役で捕虜となって日本に来た。藤原惺窩に儒学を伝えたことで知られる。専門書ではなく、やや感情的な記述も多いが、姜沆の生涯を知る上ではやはり貴重。日本では学識が尊重され比較的自由もあったようだが、虜囚初期の記述はかなり悲惨で、それでなお日本人と心の交流を持てた姜沆は強いなあと思う。中々に反骨の人で、脱走して斬られそうになったり城門に日本に報いあれ的な落書貼り付けたり、惺窩に「自重しなさい」と注意されたりする。捕えられたのも李舜臣の水軍に合流しようとする途中だった。惺窩とは馬も合ったのではないか。2017/06/27