出版社内容情報
大正から昭和にかけて大都市東京の下層民衆の生活を克明に調査・分析し,その実態を描いた名著。横山源之助『日本の下層社会』を大正・昭和につなぐ近代都市下層社会研究の決定版。近代史研究者,図書館必携の書。
1 貧民街
序文[磯村英一]
『浮浪者と売笑婦の研究』
上編 浮浪者の実情
下編 売笑婦の研究
『どん底の人達』
第1編 総説
第2編 細民の職業及び経済一班
第3編 精神的生活と其事情
第4編 物質欠乏の生活に及ぼせる事象
結言
『都市生活の裏面考察』
草間八十雄の生涯[安岡憲彦]
2 娼婦
『灯の女 闇の女』
『闇の実話』
3 不良児・水上労働者・寄子
『水上労働者と寄子の生活』
上編 水上労働者
下編 寄子の生活言
『不良児』
前編 不良児の研究
後編 不良児の諸相と其の保護
結言
草間八十雄年譜[安岡憲彦]
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うらら
0
著者は昭和3年当時、フタをされた臭いものに、果敢に飛び込んでいった東京市のお役人。浮浪者の出生地は村出身が多い。浮浪者にも階級があったらしい。浮浪者社会は男社会。では、女はどうだったかというと、その当時、女性の浮浪者が少なかった理由は、芸妓や娼妓など身体を売って(売らされて)夜露をしのぐ者が多かったという事情。著者の役人の性か、公娼には甘いが、公の認可を受けずに営業していた私娼については“淫奔、怠惰、浮薄などから淪落の女となつた”と、ボロクソにこき下ろしていたのが、ある意味印象深かった。2010/11/26
-
- 洋書
- Douze ans