出版社内容情報
あなたは〈何を伝えたい〉のか――。
〈ヤングケアラー〉〈エッセンシャルワーカー〉などカタカナ語の安易な横行。責任ある言動を放棄し、心地良い〈ポエム〉ばかりを口にする政治家たち。〈ご確認ください〉〈見直し〉といった言葉の決まり文句化……。ますます貧困化が進む私たちの日本語。戦前から現代にいたる社会・教育を振り返りながら原因を探るとともに、日本人が〈理と言葉による意見展開〉ができるようになるための対応策を考える。
内容説明
あなたは“何を伝えたい”のか。言葉の決まり文句化など、ますます貧困化が進む私たちの日本語。戦前から現代にいたる社会・教育を振り返りながら原因を探る。言葉からみる新たな日本人論。
目次
第1章 言葉の貧困の諸症状と対応策
第2章 ウォークマンからスマホへ
第3章 『なんとなく、クリスタル』
第4章 教養主義
第5章 高校までの学校と入学歴社会
第6章 大学
第7章 日本軍と軍学校教育
終章 言葉の「質の充実」に向けて
著者等紹介
原口厚[ハラグチアツシ]
早稲田大学商学部元教員。在職時の専門はドイツ語学・ドイツ語教育。特に、乏しい語彙と文法でテクスト内容を把握する読解法の理論・方法に関する研究及び実践を活動の中心とした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けんとまん1007
50
敬愛する秋田道夫さんの言葉を想い出す。「その人の使う言葉で集まってくる人が決まる」という主旨の言葉。そこに行きつくのが、これまでの歴史や文化の変遷を踏まえて、書かれているのではと思う。実態のない、虚飾に満ちた言葉に溢れているのが今の時代。また、それを好むようになってしまっているのも、今の時代。自分の頭で考え、自分なりの言葉で表現しようと努めること。この一点に尽きると思っているが、これが一番難しくもある。2025/05/11
Go Extreme
2
経済格差の拡大 情報化の進展 教育の変化 コミュニケーション様式の変容 語彙力や読解力の低下 表面的なコミュニケーション蔓延 曖昧な表現の多用 論理的な思考力の低下 ウォークマンからスマホへ 曖昧で感覚的な表現 教養主義 知識偏重や実用主義的な学び 高校までの学校と入学選抜社会 学力偏重の教育 偏差値による選抜 大学教育 日本軍と軍学校教育 言葉の質の充実 日本社会における言葉の貧困化 カタカナ語や略語の使用 短文でのコミュニケーション中心 ヤングケアラーやエッセンシャルワーカー 社会全体での取り組み必要2025/04/08
数太郎
1
早稲田大学商学部のドイツ語名教授が「なんとなく、クリスタル」などを題材に、現代日本の言葉を独自の観点から考察。2025/04/29