出版社内容情報
中国武術は競技性の発展に伴い国際的なスポーツとなり、現在は158カ国・地域に普及している。日本では1960年代後半に太極拳の広がりが契機となり、日本武術太極拳連盟を中心に競技大会、技術研究会、審判研修会などが行われ、中国武術の普及がみられた。中国武術が軍隊から省かれた背景、中国で「国術」と呼称された経緯、西洋スポーツの影響など時代の変遷との関わり、競技大会の歴史と競技ルールの制定・改定の過程、日本における中国武術の受容と普及について丁寧によみとく。そして、中国武術の実用性(武術性)の変容を考察し、競技武術の将来を展望する。
内容説明
国際化に伴い発展した競技武術。形成過程を日本の視点から解明していく。百年前の1923年、上海で中国武術の初の全国大会が行われ、今では国際的な広がりをみせている競技武術。その過程では、重要な要素である武術性と競技性の相克が避けられなかった。
目次
序章 中国武術の展開と変容
第1章 中国における競技武術の台頭と発展―一九〇〇~一九四九
第2章 中華人民共和国における競技武術の成立と変容―一九四九~二〇二二
第3章 日本における中国武術の受容と普及―一九〇〇~一九七二
第4章 日本における競技武術の過去と現在―一九七二~二〇二二
終章 中国武術の将来―武術性と競技性の相克
著者等紹介
劉暢[リュウチョウ]
1989年中国・河南省洛陽市生まれ。2023年国際武道大学体育学部武道学科助教。専門はスポーツ史、中国武術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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