出版社内容情報
村上春樹の文学世界を読み解く「記号」は中国であると考える著者が、「猫好きの村上春樹」と「猫嫌いで小鼠好きの魯迅」を照らし合わせることで、二人の文学世界を掘り下げる本書。 手掛かりは「魯迅」と「父親の中国戦線従軍体験」。そして「中国文化の村上受容」と「高橋和巳」。 比較文学的手法を駆使する著者にいざなわれ、村上文学の深淵をのぞくとき、その先には別の深甚なる世界が待ち受けていた―。村上が中国をどう見て、中国が村上をどう見ているのか。そして中国人は村上文学をどのように読んでいるのか。それらの考察を本書でくまなく展開する。「早稲田大学創立者・大隈重信没後 100 周年」( 2021年1 月10 日)の特別企画第2弾。
内容説明
「猫好きの村上春樹」と「猫嫌いで小鼠好きの魯迅」二人を合わせ鏡にして迫る文学世界―。
目次
第1章 村上春樹と魯迅
第2章 男子学生の帰省と中年男の帰郷
第3章 裏切りと再会、遠い中国と懐かしい日本
第4章 満洲国の記憶―『羊をめぐる冒険』と高橋和巳『堕落』
第5章 「トニー滝谷」と『ねじまき鳥クロニクル』
第6章 中国における村上批判
第7章 村上文学の中の戦争の記憶
著者等紹介
藤井省三[フジイショウゾウ]
中国文学研究者。名古屋外国語大学教授・図書館長、東京大学名誉教授。1952年生まれ。東京都出身。76年3月、東大文学部を卒業。東大大学院人文科学研究科中国文学専攻修士課程を修了後、中国政府国費留学生として復旦大学留学を経て、82年3月に東大大学院博士課程を単位取得満期退学。91年9月、東大より博士(文学)の学位授与。専門は現代中国語圏の文学と映画(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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