きれいごと抜きのインクルーシブ教育

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  • サイズ B6判/ページ数 157p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784654019441
  • NDC分類 378
  • Cコード C3037

内容説明

「教室のあの子」とも呼ばれる発達障害の特徴を持つ子ども。突然走り回る、些細なことでも異常に反応をする。…こういった行動に対し、教師や支援者はどのようにかかわっていけばよいのだろうか。きれいごとだけでは通用しない教室の実態を踏まえ、教師はどのような考え方や視点を持ち、どのような対策をとるべきなのか。今、最も注目すべき2人の実践家がインクルーシブ教育の今日と明日を克明に語る。

目次

第1章 「あの子」のいる教室―現場の実態から(こういう姿を見ませんか?;見えていないが、困っている ほか)
第2章 「あの子」に悩む先生たち(現場には、きれいごと抜きの現実がある―授業妨害と暴力;気づかずに子どもをつぶしている)
第3章 「あの子」と保護者のこと(小学校に入って気づく、さまざまな事例;「教室にいさせてください」という言葉の辛さ ほか)
第4章 未来志向のインクルーシブ教育(将来が見えない;インクルーシブ教育の目的とは何か? ほか)
第5章 きれいごと抜きの解決策(「あの子」は何に困っているのだろう;問題が起こりづらい先生から学ぶ ほか)

著者等紹介

多賀一郎[タガイチロウ]
神戸大学附属住吉小学校を経て、私立小学校に永年勤務。現在、追手門学院小学校講師。元日本私立小学校連合会国語部全国委員長。元西日本私立小学校連合会国語部代表委員。若い先生を育てる活動に尽力。公私立の小学校・幼稚園などで講座・講演などを行ったり、親塾や「本の会」など、保護者教育にも力を入れている

南惠介[ミナミケイスケ]
中学校、小学校講師での勤務を経て、小学校教諭となる。現在、美咲町立柵原西小学校教諭。人権教育、特別支援教育をベースとした学級経営に取り組んでいる。子どもたち一人ひとりを伸ばすための多様な学びのあり方について研究を進めつつ、試行錯誤しながら教室実践を積んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

U-Tchallenge

2
現場のことをよく理解している著者お二人だからこそのインクルーシブ教育論のように思った。決して押しつけではなく、これならできるのではないでしょうかという提案のように思った。さらに言うと、これぐらいはできないといけないという念押しのように思った。多賀先生の、教室での人権教育を大切にすることがインクルーシブにつながっていくのような趣旨の言葉はとても重たかった。ここにある教室を変え大切にすることが、子どもたちが生きる未来を変え大切にすることにつながることは肝に銘じておきたい。2023/02/14

ごえもん

2
特別支援学級や通級指導の学級を見学し、意見交換する場があったので、その前に勉強のためにインクルーシブ教育について知っておきたかったので読んだ本。 合理的配慮と言う観点から障碍を持つお子さんも均等に教育を受けるって観点では、介助員の確保や段差のない学校、てすり、またはエレベータの増設など財政的なハード面の強化も重要です。その一方で目に見えない「障碍」の心の叫びをすくい取ることも必要です。多様な価値観を認めてインクルーシブにと言うのは現場の先生方の考え方や努力無しにはできないものだなと感じました。 2019/01/31

mori

2
表題にきれいごと抜きの…とあるが、経験談や事実はたくさん書かれているが、特に前半は、ではどうするかということが対話すること以外見えてこなかった。全ての子が同じ場所で学ぶという主張は、理想だが、苦しんでいる教師やあの子を考えるとそれだけではきれいごとと言えないだろうか。思いは大事だがそれだけでは弱い。特別支援学校の立場から一緒がベストかと問い返したい。「全ての場面で一緒に学習させることがベストだとは考えていない」に共感。それぞれの持ち場でその子が力をつけることができる場を提供できることが大事だと考える。2018/06/05

にくきゅー

0
特別支援が必要な子どもへの対応の技術が満載だったり、発達障害について詳しい解説があるわけではない。ただ、普段の私たちの振る舞いが、無自覚に、その子の成長に害を与えているかもしれないことを教えてくれる本。ひとつの正解なんてない、勉強して知識えて、それでもまた悩んで苦しんで、その繰り返しだよと言われた気がした。僕たちの目の前にいるのは、発達障がいを持つ子どもではなく、名前のあるあの子なんだ。2017/08/17

jotadanobu

0
全ての子どもが同じ教室で、安心感をもって学べること。成長できること。知識やノウハウ、技術を学ぶことによって、「あの子」の救いとなる可能性は高くなる。でも、そこにはやっぱり根っことして「あの子」への愛が必要。しかも、口で軽々しく言い表せないくらいの深い愛。そんな愛をもつ覚悟について考えさせてくれる本だった。2017/06/04

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