内容説明
近代公教育が成立して以降、今日ほど学校が信頼を失った時はないだろう。その理由は学校が本来もつ機能が、今日の合理化された社会からみると、きわめて包括的で、目標達成の有無を、容易に評価できないことにある。しかし、だからといって学校の機能分化を進めても、人間の教育という課題は、相変わらず合理化不可能のものとして残るはずである。このような性格を持つ学校を、今日のままにおきながら再び活性化させる方途はあるのだろうか。本書は、学校が自らのもつ教育力を回復し再び信頼を取りもどすために、学校退廃の根源を明らかにし、その再生への道を探り出そうとするものである。
目次
1 今日の教育社会の状況をどう見るか―学校退廃の根源を探る
2 これからの学校教育をどう考えるか―学校再生の方略を探る
3 学校の何をどのように変えるべきか―学校再生への具体的な展開を探る
4 存在感をもつ子どもをどう育てるか―自立と連帯を基調とする教育を探る
5 教育現場からの教育学―自学としての教育学