内容説明
仏教者は孤高の思想家ではない―「行像」と呼ばれる仏教儀礼の諸相を「律」(生活規範)に見出し、教理や教説を説いた文献資料からでは可視化され難い仏教者の姿を明らかにする。「浄土へ往生する」こと、「現世で仏になる」こと―相反すると考えられる二つの異なる教義を前に、仏教者たちはいかに思考し、どのような行為をもって来世に想いを託したのか。
目次
第1章 律に説かれる宗教活動―インドにおける「行像」(「根本説一切有部律」とは;「行像」とは;「根本説一切有部律」に説かれる「行像」;いつ「行像」は開催されたのか)
第2章 往生の秘訣―平安日本の臨終行儀(密教儀礼と浄土の願い―問題とならない二つの融合;密教的臨終の姿勢;密教的な臨終行儀のやり方;実範―真言行者にとっての臨終行儀;覚鑁―密教儀礼としての臨終行儀 ほか)
著者等紹介
岸野亮示[キシノリョウジ]
1977年京都市生まれ。京都大学文学部卒業。同大学大学院文学研究科修士課程修了、博士課程指導認定退学。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)博士。京都薬科大学一般教育分野講師。専攻は仏教学
ストーン,ジャクリーン・I.[ストーン,ジャクリーンI.] [Stone,Jacqueline I.]
1949年カリフォルニア州・バークレー生まれ。プリンストン大学宗教学部名誉教授。専攻は日本仏教
中山慧輝[ナカヤマケイキ]
1991年福井県生まれ。京都大学文学研究科博士課程、日本学術振興会特別研究員DC2。専攻はインド仏教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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非実在の構想