内容説明
「理論」の枠組みに収まりきらない、具体的な「実践」そのものに焦点を当てた時、仏教の歴史や現状はどのように見えてくるのか。まったく新しい視点で仏教の歴史を抉りだす。
目次
序 身体的な営み(仏教は宗教か、哲学か、倫理か;大乗と部派仏教(小乗)
行為の三種
大乗に特有の行為
夢告げ
対話する仏教)
第1章 菩薩の修行(いけない行為;菩薩戒―大乗を実践する土台;『梵網経』の十重四十八軽戒;『梵網経』の食生活;『菩薩瓔珞本業経』の修行体系;修行の成果を得た人々;輪廻と劫(カルパ)と阿僧祇劫)
第2章 文化の基層に行き渡る(坐禅と無分別;来世を願い現世を閉じる;斎会―皆で行う修行と儀礼;仏教文化の広がり;現代社会と向き合う)
終章 菩薩として今を生きる
著者等紹介
船山徹[フナヤマトオル]
1961年栃木県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程中退。京都大学人文科学研究所教授。プリンストン大学、ハーヴァード大学、ライデン大学、スタンフォード大学等において客員教授を歴任。専門は仏教学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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非実在の構想
4
シリーズ実践仏教の序論のような一冊。菩薩として衆生を救う誓願を立てることが始まりであり終わりでもある。2020/02/01
ぎじぇるも
2
菩薩として生きるとは、についての初心者向け解説書のようなもの。菩薩戒についての解説、世間的関心が強いと思われる3種の浄肉、飲酒、大悪党を殺す事、五薫五辛の制限について書かれる。それ以外の戒、そとそも菩薩戒は梵網経によってもらえる事。受戒してない在家信者の戒の実践などについて緩く習える。また、実際に菩薩として生きたたとえば龍樹や世親などの紹介、斎会・六斎日など歴史的に行われていた戒について、菩薩戒を受けても来世では忘れるのでは?脳死患者が臓器移植した場合は布施にあたるか?などの議論の紹介などという感じ。2023/09/09