内容説明
ロシア革命当時、中央アジア社会がさしたる混乱もなく社会主義を受け入れたのはなぜだったのか―これまで学界に知られていなかった各種未公刊資料も駆使しつつ、中央ユーラシアを舞台にシャリーアとロシア帝国の間で交わされた「対話」の実相に迫る。
目次
序章 シャリーアとロシア帝国―その時代背景と本書の構成
第1章 中央アジアにおけるロシア法とイスラーム法の交錯―土地所有権を中心として
第2章 ヒヴァ・ハン国と企業家―イチャン・カラ博物館の一勅令を手がかりに
第3章 カザフ遊牧民の「慣習法」と裁判―ロシア統治期イリ地方の事例から見る帝国の司法制度と紛争解決
第4章 ヴォルガ・ウラル地域におけるムスリムの遺産分割―その制度と事例
第5章 シャリーア法廷裁判文書の作成システム―帝政期中央アジアのカーディーと「タズキラ」
第6章 ロシア統治下トルキスタン地方の審級制度
第7章 アフガニスタンの司法改革―イスラーム法裁判制度を中心に
第8章 「近代法」の移植と土着法適用についての帝国の論理―マレーシアと中央アジアの比較から
第9章 社会主義ソ連時代における民事裁判のあり方―客観的真実主義と裁判所積極主義
第10章 ウズベキスタンにおける「法」の役割―担保法整備支援事業にみる一断面
著者等紹介
堀川徹[ホリカワトオル]
1950年、静岡県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程中退。文学修士。京都外国語大学教授
大江泰一郎[オオエタイイチロウ]
1943年、東京都生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程中退。博士(法学)。静岡大学名誉教授
磯貝健一[イソガイケンイチ]
1966年、青森県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(文学)。追手門学院大学国際教養学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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