内容説明
日本人にとってのコメをめぐる環境と思想は、どのような歴史をたどり、現代の食文化や農耕のあり方にどのような問題を投げかけるのか。東南アジアのコメの文化・思想も視野に入れながら、民俗学・神道・植物学・農業従事者などコメの現場に携わる様々な立場の識者が、コメをめぐる環境・思想の多様性について追究、そのあるべき未来を提言する。
目次
序章 稲作文化のゆくえ(コメと命をめぐって―生態学的にみたコメの位置;農業の生態的意味;農業生産と生産コスト;雑草をどう考えるか;水田耕作の優位性;日本人は米を食べてきたか;近世の飢饉をどうとらえるか;米と魚;コメと心;ブランド志向と偽コシヒカリ騒動;稲作文化と日本のこれから)
第1章 米の精神性(まつりの神饌;御飯と鞣飯;なかでも酒)
第2章 田んぼに生きる―田んぼの心と稲の心、それを感じる百姓の心(稲と自然の再定義;技術ではなく仕事を;世界認識の扉;田んぼは天地有情)
第3章 焼畑と稲作―多様で持続可能な稲作を求めて(日本の焼畑と稲作;ラオス北部の焼畑と稲作)
著者等紹介
佐藤洋一郎[サトウヨウイチロウ]
総合地球環境学研究所副所長・教授
木村栄美[キムラエミ]
総合地球環境学研究所プロジェクト研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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