内容説明
禅宗五家のうち最も晩く成立した法眼宗の開祖、法眼文益。法眼出現の歴史的・思想的背景から、法眼宗の断絶、宋代禅宗の胎動へと至る過程を丹念にたどり、法眼の思想の特徴とそれが持つ意義を原典資料から読み解く、唐末五代禅宗の思想史。
目次
第1章 雪峰教団の登場と分裂(雪峰義存の帰還と雪峰山の創建;独立独歩の人、玄沙師備;雪峰系と玄沙系の分裂)
第2章 唐代禅宗の思想と玄沙師備の立場(馬祖「作用即性」説の登場とその反響;玄沙師備の昭昭霊霊批判;三句綱宗;玄沙と華厳の思想;ふたたび雪峰と玄沙)
第3章 法眼文益の生涯と思想(出家、受戒、長慶慧稜門下での参禅;羅漢桂〓からの嗣法;法眼のことばと思想)
第4章 法眼宗から宋代の禅へ(『宗門十規論』と法眼の時代;法眼の後継者と法眼宗の隆盛;法眼宗に対する評価と宋代禅の発展)
著者等紹介
土屋太祐[ツチヤタイスケ]
1976年生まれ。2007年、四川大学文学与新聞学院中国古典文献学専業修了、文学博士。現在、新潟大学経済科学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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