内容説明
キリシタン時代の宗教銅版画以降、とかく実用的な考えに左右されがちだった日本の銅版画に洋風画的構成を求め苦闘したのは司馬江漢、亜欧堂田善、安田雷洲ら江戸系の画家たちが主だった。銅版画実作者ならではの視点で彼等の業績を解き明かす好著。論文2篇、索引を増補し、新訂版として再刊する。
目次
第1章 日本最初の銅版画・キリスト教関係
第2章 蘭書で独習した銅版画技法
第3章 司馬江漢の覗目鏡銅版画
第4章 江漢に続く寛政期の銅版画家三人
第5章 実用銅版画・写実の迫真性の追求
第6章 遺作が最も多い亜欧堂田善
第7章 近代銅版画を確立した安田雷洲
終章 関西への普及と江戸期銅版画の終焉
著者等紹介
菅野陽[スガノヨウ]
1919年台湾台北市に生れる。43年東京美術学校日本画科を卒業。45年復員し、翌年前衛美術会創立に参加。55年日本版画協会に参加。63年退会、以後、個展、東京国際版画ビエンナーレ展等で銅版画作品を発表。95年逝去
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